研究課題/領域番号 |
20K03320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
上原 俊介 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (00712283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 怒り表出 / 人間関係 / 葛藤 / 血圧 / 怒り / 親密さ |
研究開始時の研究の概要 |
人間関係の研究者たちは、怒りとは関係破綻を導く感情なので、怒りという感情は抑えられるべきもの、あるいは意識的にコントロールするべきものと見なしてきた。だがこの研究では、人間関係維持のためには怒りを表出することも重要な感情制御のひとつであると仮定する。なぜならば、怒りを示す行動には自己開示の機能が備わっていると考えられるからである。そこで本研究では、怒りの感情表出が人間関係を維持・高揚させるはたらきがあると仮定して、実験的手法によりその仕組みを解明することを目指す。そして、親密な相手に対しては怒りを抑えるだけでなくそれをオープンにすることも、持続的な関係の形成に有効な手段であることを提案したい。
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研究成果の概要 |
本研究では、葛藤時のストレス指標である血圧に注目し、これまで確認されてきた怒り表出の関係促進効果が関係認知の歪みによるものかどうかを検討した。カップルと友人関係を対象として実験室実験を行った結果、予想におおむね一致し、一方の怒り表出は他方の血圧反応を緩和(あるいは持続)させ、自己報告型の親密さとも矛盾しない結果であった。これらの知見は、怒りの関係促進効果に一定の妥当性があることを裏づけるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
身近な人間関係の紛争を扱うメディエーターたちは、怒りの表出をコントロールする方法を推奨しやすく、感情的なやりとりによる解決過程を嫌う傾向がある。しかし、怒りのコントロールを目指した紛争介入では、当事者どうしの真意が伝わりにくく、建設的な解決過程を犠牲にする危険性もある。この研究では、紛争当事者間での感情的なやりとりも重要な紛争解決への糸口になるのではないかという点を提案するものである。
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