研究課題/領域番号 |
20K03323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
中西 大輔 広島修道大学, 健康科学部, 教授 (30368766)
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研究分担者 |
中川 裕美 東北福祉大学, 総合福祉学部, 助教 (70848853)
井川 純一 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (90748401)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 多数派同調バイアス / 領域固有性 / キャリーオーバー / 社会的ジレンマ / 文化的群淘汰 / 集団葛藤 / 多数派同調 / 協力行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では文化的群淘汰理論に基づき、不確実状況下における意思決定では合理的な根拠を持つ多数派を模倣する傾向が、集団内での公共財ゲームでの協力行動にキャリーオーバーされるかどうかを検討する。多数派に同調する傾向は、必ずしも協力の文脈では合理的ではない。しかし、文化的群淘汰理論は、本来合理的でない多数派同調傾向が協力文脈にもキャリーオーバ-されることを前提としているため、当該理論の検証にあたり、キャリーオーバーが行われるかどうかを検討することは極めて重要である。本研究ではこのキャリーオーバー仮説を進化シミュレーション、Web調査、実験室実験という複数の方法で検討する。
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研究実績の概要 |
2021年度にはEriksson & Coultas (2009) のパラダイムを用いて多数派同調バイアスがどのような状況で観察されるかを検討した。そこで明らかになったのは、正解の明確な問題については多数派同調バイアスが観察されるが、正解の定義できない問題については明確な多数派同調バイアスは示されなかったということであった。また、特に確信度が低い場合にその傾向が顕著になることが示された。この知見について、2022年度は学会発表を1件行った。また、2021年度に論文を1本投稿していたが、大幅修正となったので、一旦取り下げ、再度分析の不適切な部分 (主にEriksson & Coultasでも行われていたモデルフィッティングに関する分析) を訂正した上で再投稿を行った。さらに、多数派同調バイアスが社会的ジレンマ状況でどの程度観察されるのか (キャリーオーバ-されるのか) を明らかにするために、日常的な社会的ジレンマ事態をシナリオとして作成し、場面想定法実験を行った。予備的な分析を行った結果、多数派同調バイアスが社会的ジレンマ状況下では見られないというパタンが得られた。このことは多数派同調バイアスが複数のドメイン間でキャリーオーバーされないことを示唆するものであった。当該研究については論文投稿の準備を進めている。また、過去に行った、社会的ジレンマ状況下で他者の行動情報を提示した場合には協力率が向上するという、間接的に社会的な影響 (ただし、今年度に行った実験結果を踏まえると、ここでの影響が「多数派同調バイアス」と言えるのかどうかについては後続研究が必要とされる) がジレンマ状況でも存在することを示した実験室実験について論文を投稿し、掲載が認められている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は順調に実施できている。昨年度、研究計画の変更があった分、若干の遅れがある。
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今後の研究の推進方策 |
知識問題において観察された多数派同調バイアスについては、複数の場面想定法実験で確認されているが、正解のインセンティブを与えた実験室実験では検討されていない。このことを踏まえ、実験室実験でも、知識問題を用いた場合には多数派同調バイアスが観察されるかどうかを検討する。また、社会的ジレンマ状況で本当に多数派同調バイアスが観察されないのか、前年度とは別のシナリオを用いた場面想定法実験を行う。2022年度までに得られた結果については国際学会 (EHBEAを予定)、国内学会 (日本社会心理学会を予定) で発表を行うとともに、引き続き論文を投稿する。
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