研究課題/領域番号 |
20K03326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
和田 裕一 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (80312635)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | マンガ / 眼球運動 / 視線計測 / 共感性 / 視線情報 / アイトラッキング / 性格 / 個人差 |
研究開始時の研究の概要 |
共感性を測定する研究手法の一つに、人物の表情を写した画像や動画を観察する際の視線情報を用いるアプローチがある。本研究では、その際の提示刺激として“マンガ”が有効であるとの仮説に立脚し、マンガを読む際の視線の動きの特徴から読み手の共感性を推定することを目的とする。実験では参加者がマンガを読む際の視線の動きをアイトラッカーにより記録する。同時に、共感性等の性格特性を測る心理尺度に対する回答を求める。分析では、注視時間やサッケード距離等の視線情報を特徴量とする機械学習モデルを構築し、マンガ読解時の視線情報から読み手の共感性等の性格特性の有り様を精度よく判別できるスクリーニングシステムの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
共感性を測定する手法として、人物の表情を写した画像や動画を観察する際の視線情報を用いるアプローチが近年注目を集めている。本研究では、その際の刺激素材として“マンガ”が有効であるとの仮説に立脚し、マンガを読む際の視線情報と読み手の共感性との関連を明らかにすることを目的とした。その結果、マンガを読む際の視線データと読み手の共感性との間に相関関係があることが明らかになった。また、マンガを素材とした自閉スペクトラム症傾向を測定する「まなざしから心を読むテスト」を開発した。本研究の結果から、マンガの読みにおける視線情報が読み手の共感性の有り様を反映する指標として活用できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学校や職場、あるいはネット空間上において、共感性の欠如が招く対人コミュニケーション不全やそれに起因する様々な問題が散見される昨今、共感性の測定に対する社会的ニーズは高いと思われる。本研究の学術的意義は、我が国のポップカルチャーを代表するマンガが、共感性の測定のための有効なツールとなりうることを示した点にある。また、マンガは文字情報(連続型テキスト)と絵(非連続型テキスト)が複合したテキストであり、マンガ読解の機序とそこでの個人差に関して明らかにする本研究の成果は、教育心理学や認知心理学の分野にも波及するインパクトをもつと考えられる。
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