研究課題/領域番号 |
20K03329
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岩田 美保 千葉大学, 教育学部, 教授 (00334160)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 感情言及 / 感情語 / 感情コンピテンス / 対人的機能 / 他者理解 / 社会的文脈 / 社会的相互作用 / 関係調整 / コミュニケーション / 仲間遊び / 言及機能 / 社会的関係 / 話し合い / 感情調整 / ポジティブ感情 / ネガティブ感情 / 対人機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、幼児・児童の他者理解について①幼稚園児の仲間遊び場面、②小学校の「特別活動」時の話し合い場面、③3世代を含む家族間の感情(特にポジティブ・ネガティブ感情)言及がもつ関係調整機能のプロセスを通じて発達的に検討する。これまで、社会的文脈における身近な他者との感情言及を伴うやりとりが子どもの他者理解に重要な意味をもつ可能性が指摘されてきたが、その実証的な検討は未だ少ない。本研究により、幼児・児童期の多様な関係性(仲間、学級、三世代家族、等)にみられる感情言及の関係調整機能を明らかにし、それを通じて社会的文脈における他者理解の発達プロセスに関わる新たな仮説を提出し得ることが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究は、幼児・児童期の他者理解について、社会的文脈における子どもの自他感情言及とその関係調整的役割に主な焦点を当て、発達的検討を行った。具体的には (1)幼児期の仲間間のポジティブ・ネガティブな感情言及の関係調整的機能、(2)異なる関係性の中での感情言及文脈の発達的様相の違い、(3)児童間の話し合い初期の教師の助言的介入及び感情コミュニケーションに関わるテーマ内容について検討した。総じて、幼児がポジティブ感情言及及び、遊戯的なネガティブ感情言及を通じ仲間関係の調整を図っている様相や、児童の自主的な話し合いが成立していく中で、多様な感情的テーマを含むやりとりがなされている可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、幼児の社会的場面でのポジティブ・ネガティブな感情言及が果たす対人的機能を明らかにしうるものであり、感情コンピテンスや社会的文脈における他者理解の発達の様相を捉えうる子ども同士の社会的相互作用に関わる基礎的資料を提供するものとして大きな意義がある。また、児童期の感情コミュニケーションに関わる話し合いのテーマや自主的な話し合いを成立させる教師の介入などの基礎分析の成果は、今後児童期の話し合いにおける感情言及を含むコミュニケーションの実態を通じ、児童期の社会的なやりとりにおける感情言及と関係調整の関係を明らかにしていく上で重要と考えられる。
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