研究課題/領域番号 |
20K03331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
川島 亜紀子 (小林亜紀子) 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20708333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 家族 / 夫婦 / 発達精神病理学 / アセスメント / 夫婦関係 / 教育 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,子どもを取り巻く家族の問題は,世代を越えて持ち越され,養育環境・発達環境の格差となっていることが示唆されている。そこで本研究では,子どもの健やかな発達を保障するため,リスク評価のためのアセスメント・ツールを作成し,リスクの程度に応じたコーピングスキル育成のための教育方法の開発および,周産期における夫婦関係の質の維持・低下プロセスに関わる追跡調査と予防的介入効果研究を行う。
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研究実績の概要 |
近年,欧米を中心とした発達精神病理学的実証研究から,子どもを取り巻く家族の問題が世代を越えて持ち越され,養育環境や発達環境の格差となっていることが示唆されている。そこで,本研究の目的は子どもの健やかな発達を保障するため,家族リスクの比較的低い対象に対する普遍性の高い,実証的に意味のある家庭生活教育を構築し,比較的ハイリスクな状態にある家族に対する効果的な介入方法を検証することである。 そのために,令和5年度ではリスク評価のためのアセスメント・ツールを作成することを目的とし,夫婦間の支配―被支配関係にかかわるとされる夫婦関係における平等性を測定する尺度(Intimate Jusitice Scale(Jory, 2001;川島,2022),夫婦間暴力にかかわるアセスメント・ツール)の日本語版開発を令和4年度から継続して行った。令和5年度ではこれをもとに,さらにオンライン調査によりデータを収集,インタビュー調査を実施し,アセスメント・ツールの妥当性の検証を行った。その結果,欧米で開発されたアセスメント・ツールをそのまま翻訳するだけでは不十分であり,日本の文化に照らし合わせて尺度の改善を図る必要性が示された。このことから,最終年度には当該尺度の開発者と共同し,日本版の夫婦関係における平等性尺度を検討する予定である。 また,夫婦間のポジティブな側面である夫婦関係の調整能力(Dyadic Coping Scale, Bodenmann, 2008; 川島・吉武・菅原,2014)を検討するための夫婦間コーピングについても調査を実施し,尺度の検証を行った。これらについては,最終年度中に結果を取りまとめ,結果の公表を行う予定である。 以上のように,多面的な視点から夫婦関係を捉えるための調査を重ねており,これらを踏まえて子どもを含む家族全体のウェルビーイングについて検討し,さらに介入プログラムの社会実装可能性について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
欧米で検証された夫婦関係やそれへの介入をモデルに検討を行ってきたが,得られた結果が予想と異なるものであったため,改めてアセスメント・ツールの内容や測定方法,介入プログラムの在り方について検討する必要があると考え,継続的に発展させる方向での計画を見直そうとした結果,研究に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り,わが国の夫婦や家族の実態に即したモデルの作成が必須であり,最終年度である令和6年度は,国内外の研究者と共同しながら,日本の社会に実装可能なアセスメント・ツールならびに支援方法の検討を行いたいと考える。
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