研究課題/領域番号 |
20K03335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
安達 智子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40318746)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 自己効力 / ジェンダー / ステレオタイプ / 職業イメージ / キャリア / 若者 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では,将来を担う次世代への働き掛けとして,性別により固定化された職域に縛られないキャリア選択への支援が強くもとめられている。本研究は,個人のキャリア選択のプロセスにおいて同性が多い職業に選択が集中し,異性が多くを占めて同性が少ない職業が選択肢から除外される心理学的機序について明らかにすることを目的とする。くわえて,獲得した知見にもとづいて,キャリア教育やキャリア支援で活用可能な教育コンテンツを開発する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度に占有率とステレオタイプの結びつきを確認した男性職、女性職、バランス職をもちいて、年齢層を20歳~60歳にまで拡大して占有率とステレオタイプの結びつきの一般化可能性および関連変数との関わりを検討した。得られた主たる結果を以下のとおりで、これらをもとにキャリア教育に活用できるコンテンツの抽出作業を開始した。 1)若者層を対象とした調査で得られた職業のジェンダーステレオタイプの傾向は、幅広い年齢層にも一般化することができる。 2)男女ともに同性が占有する職業に対しては自己効力が高く、同性の活躍がみえにくい領域に対しては低い自己効力をもつという傾向も幅広い年齢層に一般化して考えることができる。ただし、当該調査では、学生の所属学部や社会人の職業歴などの個人的達成経験と男らしい、女らしいというステレオタイプの相互作用については検討できておらず、この点については今後探求すべき課題といえる。 3)職業興味について調べたところ、現実的職業領域への興味は男性が高く、社会的職業領域への興味は女性が高いという傾向がみられた。しかし、これらの興味得点は、領域特定的な自己効力によって媒介されていた。また、異性が優位な領域に対する自己効力が高い女性は、現実的職業領域への興味が男性と同等程度であることが示された。これらのことから、領域特定的な自己効力の情報源にもとづく介入のほかに、ジェンダーステレオタイプをとりのぞくことによって異性が優位な領域への自己効力を高めることが異性領域に対する興味・関心につながることが示唆された。 4)ライフキャリア形成にまつわる仕事と家庭のバランスについては、多くの若者が伝統的な将来設計をしていることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象者を拡大してて得られたデータの分析によって、若年層にみられる職業に対するジェンダーステレオタイプや自己効力の傾向を幅広に年齢層に一般化できることが明らかにされた。また、コンテンツの開発にもちいる内容の抽出作業を開始しており、おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
男女占有率とジェンダーステレオタイプ、自己効力について得られた結果は、幅広い年齢層に拡大して解釈できることが明らかになった。また、職業興味の形成、とくに異性が優位な領域における女性の興味の形成に自己効力が媒介効果をもつという知見も得られた。次年度は、家庭と仕事のインターフェイス、すなわち、時間の割り振り、仕事と家庭との兼ね合い、コンフリクト等について検討をしていく予定である。また、抽出した内容を組み立ててキャリア教育・介入に役立つコンテンツを作成る。
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