研究課題/領域番号 |
20K03339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
鵜木 惠子 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 教授 (70383338)
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研究分担者 |
菊池 和美 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 教授 (00406703)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 軽度認知障害 / 回想法 / ICT / 認知症予防 / セルフコンパッション / 携帯端末機器 / 高齢者 / コラージュ / マインドフルネス / 写真 |
研究開始時の研究の概要 |
鵜木(2018)は、ICTを用いた新しい自己表現技法“i-Collage技法”を創案し、抑うつ気分の緩和効果、他者との関係性の意識化、非侵襲性という特徴を示した。そこで本研究では、軽度認知障害の改善プログラム開発を目的として”セルフ・コンパッションを伴う新しい回想法(慈悲i-Collage回想法)”が軽度認知障害高齢者に対して①認知機能の向上、②抑うつ気分の低減、③対人的交流頻度や④人生満足度の向上の効果をもたらすかを、従来の回想法実施群とのランダム化比較実験を実施し、その有効性を検証する。
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研究実績の概要 |
【目的】 高齢者自身の思い出の写真を用いて、iPad上にコラージュ作品を作成し、その作品について語り合う回想法プログラム(以下、i-Collage回想法)を鵜木は開発した(鵜木, 2021)。マインドフルネスを導入し、辛い記憶が想起された場合の対処としてより安全性を高める工夫も行った。本研究の目的は、軽度認知障害(MCI)及びその疑いのある対象者に、このプログラムを実施した場合に認知機能の改善が見られるか、従来の回想法と比較することである。 【方法】 MCIと診断された患者5名及びMCIの疑いのある者(MMSE24-27点)6名を対象とした(女性5名男性6名;74-86歳)。研究募集に際しては医療機関及び地域包括支援センターの協力を得た。i-Collage回想法群は6名(男性2名女性4名;2グループ)、従来の回想法群は5名(男性4名女性1名:2グループ)であった。1グループ2~4名で構成された。調査は原則的に隔週5回継続して実施した。第1回でMMSEにより認知的機能を測定した。第2回では「自分の好きなもの」、第3回「人生前半」、第4回「人生後半」をテーマにした。第5回で振り返りをし、第1回と同様の調査を行った。2か月後にフォロー調査として、第5回と同様の調査を実施した。 【結果と考察】 プログラム前・直後・フォロー調査の3時点(2か月間隔)でのMMSE得点を比較した。その結果、i-Collage回想法群6名のうち健常域得点(28点以上)を示したのは、直後4名、フォロー調査4名、従来の回想法群5名では直後2名、フォロー調査1名であった。対象人数が少ないが、i-Collage回想法の方が認知機能改善の維持率が高い可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
この1年間は、それまでに比べて研究の進捗状況が改善した。理由として、2023年5月に新型コロナウイルスが5類に移行したため、研究協力者募集を積極的に行えるようになったこと、研究実施の際の感染予防対策などの制約が少なくなり実施しやすい環境になったことが考えらえる。ただし、コロナ禍で全く研究ができなかった期間があったことから、当初の計画を遂行するためにも、研究実施を進める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、軽度認知障害者を対象としたi-Collage回想法群及び従来の回想法群のデータをさらに増やすため、研究協力者募集を積極的に行い、プログラムを実施していく。 データがまとまり次第、英語論文としてまとめ、国内外に研究成果を発表する予定である。
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