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幼児は保育者のどのような教えに従うのか:幼児-保育者間相互作用の観察・実験研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K03347
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10020:教育心理学関連
研究機関安田女子大学

研究代表者

田渕 恵  安田女子大学, 心理学部, 准教授 (70631977)

研究分担者 小島 康生  中京大学, 心理学部, 教授 (40322169)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード保育行動 / 制御焦点理論 / 幼児 / 保育者 / 制御焦点 / 世代間相互作用 / 利他性
研究開始時の研究の概要

「先人の教えを学ぶ」とき,私たちはどのような教えに従い,自らの人生に活かすのだろうか。本研究ではこの問いへのアプローチとして,制御焦点理論(行動の動機づけを,「成功するために」動く傾向と「失敗しないために」動く傾向の2種類に区分する理論)を用いる。2種類の傾向は幼児期に周囲の大人との相互作用で形成されるが,幼児は大人のどちらの教えに従いやすいのか,あるいは大人は幼児のどちらの行動に反応しやすいのかを,相互作用の中で実証的に研究した研究はない。そこで本研究では,青年期研究の知見から仮説を立て,幼児と保育者の相互作用を対象に,観察・実験的手法を用いて仮説の検証を行う。

研究実績の概要

【目的】本研究では,制御焦点傾向が形成される時期である幼児期に着目し,保育者の幼児に対する言葉かけ行動の強化に,幼児の反応と言葉かけの種類,そして保育者の年齢が影響するかを検討することを目的とした。前年度行った調査の結果,保育行動には保育者の経験年数が関連していることが分かったため,本年度はさらに多様な保育場面を設定し,保育者の保育行動と経験年数との関連を検討した。
【方法】オンライン調査会社に,対象者の募集と,作成した実験サイトへの誘導を依頼し,現役の保育士150名(女性名110名,男性40名,18-65歳)を分析対象とした。保育経験年数がばらつくよう,各年齢層からなるべく偏りなく対象者を募集した。保育者から幼児への関わり場面を描いたシナリオを作成し,促進焦点の教えと予防焦点の教えのいずれかを保育者が幼児に伝える場面を設定し,さらに保育者の言葉かけに対して幼児が従う場合と,従わない場合を設定した。シナリオを読んだ後,当該幼児に対する関わり方について自由記述を求めた。
【結果及び考察】分析を行った結果,経験年数の短い保育者では,言葉かけの内容と保育行動,幼児への関り意欲が関連しており,予防的な言葉かけを行った場合の方が促進的な言葉かけを行った場合よりも,幼児への継続的な関わり意欲が強かった。一方,保育の経験年数が長い保育者では,言葉かけの内容と幼児への関り意欲に関連が認められなかった。保育の経験年数が長くなればなるほど,個人の保育観が確立され保育行動の一貫性が高まるため,保育場面や言葉かけの内容による差が認められなくなるのではないかと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度に引き続き,現役保育士を対象とした調査を行うことができた。数か所の調査会社を利用し,web調査という手段によって適切な対象者のリクルートができ,研究を進めることができた。

今後の研究の推進方策

感染症の流行が落ち着いてきたため,今後は実際の保育現場における長期的な観察研究を行い,これまで調査研究によって示されてきた知見の検証を行う必要がある。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (24件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 1件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] 若年・中年・高齢期の母娘における制御焦点の類似性2022

    • 著者名/発表者名
      田渕 恵
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 93 号: 5 ページ: 483-487

    • DOI

      10.4992/jjpsy.93.21328

    • ISSN
      0021-5236, 1884-1082
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 個人の制御焦点傾向と世代性(generativity)の関連の検討2021

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 雑誌名

      世代間交流学会誌

      巻: 11 ページ: 3-11

    • NAID

      40022717024

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高齢期の世代性(generativity)と世代間相互作用2021

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 雑誌名

      老年社会科学

      巻: 43 ページ: 298-303

    • NAID

      40022735376

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「乳児と視線が合うこと」が認知症高齢者の行動に与える影響.2020

    • 著者名/発表者名
      田渕恵・小島康生
    • 雑誌名

      老年社会科学

      巻: 42(3) ページ: 217-225

    • NAID

      130008127097

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 先行世代の経験を次世代に活かす:高齢者と若齢者の世代間相互作用.2020

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 雑誌名

      心理学評論

      巻: 63(1) ページ: 69-77

    • NAID

      130008067876

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Intergenerational interactions and development of generativity.2023

    • 著者名/発表者名
      Megumi Tabuchi
    • 学会等名
      IAGG Asia/Oceania Regional Congress 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 課題解決方略に「脳の癖」はあるのか?(2) ー選好傾向の一貫性の傾向ー2023

    • 著者名/発表者名
      田渕恵・坂田陽子・三浦麻子
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 幼児が「従わない場面」での保育者の言葉かけ -制御焦点理論を用いた検討-2023

    • 著者名/発表者名
      田渕恵・小島康生
    • 学会等名
      日本発達心理学会第35回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 利用者の予防焦点傾向を考慮した避難訓練支援システムの検討2023

    • 著者名/発表者名
      福島拓・北岡大・蔵永瞳・田渕恵
    • 学会等名
      DICOMO2024 シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 娘から母親への親密性に対する祖母の役割ー制御焦点理論を用いた検討ー2022

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 学会等名
      日本発達心理学会第33回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 課題解決方略に「脳の癖」はあるのか? ―認知・非認知的処理の優位性測定のための予備的研究 ―2022

    • 著者名/発表者名
      田渕恵・坂田陽子・三浦麻子
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 中学生の娘から母親への親密性と制御適合(2)2021

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 学会等名
      日本社会心理学会第62回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 祖母・母・孫娘における制御焦点の類似性2021

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 学会等名
      日本心理学会第85回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 娘から母親への親密性に対する祖母の役割ー制御焦点理論を用いた検討ー2021

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 学会等名
      日本発達心理学会第33回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 教えの内容によって保育者の幼児への関わり意欲は異なるか2021

    • 著者名/発表者名
      田渕恵・小島康生
    • 学会等名
      日本発達心理学会第32回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 研究の生まれるところ~発達心理学研究の実況中継~2021

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 学会等名
      日本発達心理学会第32回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 中学生の娘から母親への親密性と制御適合2020

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 学会等名
      日本社会心理学会第61回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 「乳児と視線が合うこと」が認知症高齢者の行動に与える影響.2020

    • 著者名/発表者名
      田渕恵・小島康生
    • 学会等名
      日本心理学会第84回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 発達科学ハンドブック12 高齢期の発達科学2024

    • 著者名/発表者名
      日本発達心理学会 (編)
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      新曜社
    • ISBN
      9784788518377
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 心理老年学と臨床死生学2022

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623093212
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [図書] 新たな社会創造に向かうソーシャルネットワークとしての世代間交流活動2022

    • 著者名/発表者名
      田淵恵
    • 総ページ数
      280
    • 出版者
      三学出版
    • ISBN
      9784908877469
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 介護福祉用語集2021

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623085934
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 注意の生涯発達心理学「8章 表情への注意」2020

    • 著者名/発表者名
      田渕恵・坂田陽子
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779514524
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 多様な人生のかたちに迫る発達心理学「Columm2 祖父母と孫の世代間交流」2020

    • 著者名/発表者名
      田渕恵
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      ナカニシヤ出版
    • ISBN
      9784779514425
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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