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学校における協働の成立基盤とその帰結:共有アイデンティティに派生する社会的勢力

研究課題

研究課題/領域番号 20K03351
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分10020:教育心理学関連
研究機関就実短期大学

研究代表者

鎌田 雅史  就実短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (10610040)

研究分担者 三沢 良  岡山大学, 学術研究院教育学域, 准教授 (90570820)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード分散型リーダーシップ / 教員の自律性 / 専門的学習コミュニティ / エンパワリングリーダーシップ / 社会的勢力 / 学習メタファー / 教師の職能発達 / 学校文化 / 協働 / 社会的価値体験 / 組織文化 / 承認 / 学校組織 / 専門的な学習コミュニティ / 教師アイデンティティ / 組織市民行動 / チームワーク / 学校開発 / 社会的アイデンティティ / リーダーシップ
研究開始時の研究の概要

本研究は,学校における協働の規定因,促進要因,およびアウトカムに関する以下の検証を行う。

① 伝統的協働論からの示唆に基づき,現代心理学との往還を目的とした展望研究を行い,学校における協働の規定因,促進要因,期待されるアウトカムに関する概念整理を行う。
② 社会的勢力のアイデンティティ理論に基づき,教員間の共有アイデンティティと学校における教員の協働との関係に関する実証的検証を行う。
③ 学校組織における教員の協働はどのようなアウトカムに有効であるのか,さらに協働の有効性を高める認知的,組織的要因はいかなるものであるかについて検証を試みる。

研究実績の概要

本研究に関連して,2023年度は1回のインターネット調査を実施した。また3件の学会発表(日本教育心理学会(2),日本学校心理士会(1)),1編の紀要論文(就実論叢)および1編の学会誌(日本学校改善学会)において成果発表を行った。
学会発表においては,2022年度に実施したオンライン調査の分析に基づくもので,教員が自律的に活動するため学校文化を問うものである。教員間が分散型リーダーシップを発揮している学校文化においては,校長のエンパ―ワリングリーダーシップを知覚した教員の自律性に関連した諸認知(内的統制,教職コミットメント,自発性)は増加する傾向が認められる。一方,協働的な素地が知覚しにくい学校文化においては,エンパ―ワリングリーダーシップは,場合によっては教員の依存性を高める可能性が示唆された。
さらに,学校文化(専門的学習コミュニティ)の醸成に関連し,教員の学びを模索するための文献展望を行った。その結果,体系的な学びに関するメタファーは①獲得メタファー,②参加メタファー,③知識創造メタファーに基づいて記述されていることが確認でき,これらは互いに相補的な学びの側面を表現するものであることが示された。制度化された学校教育における「学び」のイメージが,安定性と効率を指向する獲得メタファーに基づく傾向が強い一方で,創造性や自律性と関連する参加メタファーや知識創造メタファーに基づく学習観が十分に考慮されていない可能性が示唆された。教員の自律性や,学びあう関係性を担保するためには,試行錯誤が許容される文化,参加と承認に基づく関係性を見直す必要性が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では本研究プロジェクトは,2020-2023年度の予定であったが,2019からのCOVID-19の感染拡大に伴う社会的影響によって研究が遅れたため1年間の延長をすることとなった。昨年度実施したオンライン調査サービスで,本研究で予定していたデータはおおよそ取得し終えたため,本年度は研究成果の公表に注力したい。

今後の研究の推進方策

本年度は,昨年度までに取得した研究データの分析を行い,その成果を公表することに注力したい。特に本研究の中核的なテーマである社会的勢力(Social Power)に関連して,これまで社会的承認や,自律性,エンパワーメントなど関連する変数との関連を検証することを通して間接的に検討してきたが,Power Enabling(可能にする力, Baarle et. al., 2024)という概念に基づき,公式的組織における権限役割(Formal Power)と教員集団のネットワークから発生するインフォーマルな影響力(Informal Power)について理論的な統合と知見の整理を目指す。現在のところ,著書の分担執筆を1つ,学会での成果公表を1つ予定している。また,紀要原稿を執筆する予定である。また,1つのデータについて学会誌への投稿を予定している。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うちオープンアクセス 5件、 査読あり 2件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] 教師の組織的学びを促進する校長のエンパワリング・リーダーシップ2024

    • 著者名/発表者名
      三沢 良、鎌田 雅史
    • 雑誌名

      学校改善研究紀要

      巻: 6 号: 0 ページ: 60-74

    • DOI

      10.51006/jsira.6.0_60

    • ISSN
      2436-5009
    • 年月日
      2024-03-31
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 学校組織における学習メタファーに関する論考2023

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史、三沢良
    • 雑誌名

      就実論叢

      巻: 53 ページ: 115-128

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Psychological Safety in the Teachers’ Room: Investigation of Interpersonal Risks that Hinder Teachers’ Collaboration2022

    • 著者名/発表者名
      三沢良・鎌田雅史
    • 雑誌名

      岡山大学大学院教育学研究科研究集録

      巻: 180 ページ: 17-26

    • DOI

      10.18926/bgeou/63920

    • URL

      https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/63920

    • 年月日
      2022-08-26
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 学校組織における教員の自律性の役割2021

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史
    • 雑誌名

      就実教育実践研究

      巻: 15 ページ: 147-160

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 分散型リーダーシップに関する量的研究の動向2020

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史
    • 雑誌名

      就実教育実践研究

      巻: 14 ページ: 117-130

    • NAID

      120007115715

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 校長によるエンパワーメントが教師の自律性を促すための要件2023

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史、三沢良
    • 学会等名
      日本教育心理学会64回総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 教育相談の定着化を促す組織文化とリーダーシップ2023

    • 著者名/発表者名
      西山久子、鎌田雅史、迫田裕子
    • 学会等名
      日本教育心理学会64回総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 専任教育相談コーディネーターの役割像・研修の在り方の検討 -自治体調査の分析2023

    • 著者名/発表者名
      西山久子、鎌田雅史、迫田裕子
    • 学会等名
      日本学校心理士会第17回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 職員室の心理的安全性:教師の協働を阻む対人関係リスクに関する基礎的検討2022

    • 著者名/発表者名
      三沢 良・鎌田雅史
    • 学会等名
      日本教育心理学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 教員の自律性を支える組織風土に関する検討:学びあい,認めあう校内コミュニティの必要性2022

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史・三沢 良
    • 学会等名
      日本教育心理学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 学校組織における分散型リーダーシップと教員の業務改善 校長によるエンパワーメントの調整効果2021

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史,三沢 良
    • 学会等名
      日本教育心理学会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 学校組織における分散型リーダーシップの効用(3)2020

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史,三沢 良
    • 学会等名
      日本教育心理学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 公立学校教員の勤務実態と学校改善 『働き方改革』に関する意識調査のデータ分析2020

    • 著者名/発表者名
      鎌田雅史,三沢 良
    • 学会等名
      日本学校改善学会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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