研究課題/領域番号 |
20K03360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10020:教育心理学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
関口 貴裕 東京学芸大学, 連合学校教育学研究科, 教授 (90334458)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 領域知識 / 記憶・学習課題 / ワーキングメモリ / 文章読解 / マインドワンダリング |
研究開始時の研究の概要 |
ワーキングメモリ(WM)能力の低い者は,様々な知的活動でその成績が低いことが知られているが,領域知識を使いWMを効率的に働かせることで,その弱さを補償できる可能性がある。しかしながら,これに関する研究は,結果が分かれている。そこで本研究では,文章読解を題材に,課題成績に対するWM能力と領域知識の関係性が,処理プロセスと刺激文章の性質によりどのように異なるかを実験的に明らかにする。また,WM能力がマインドワンダリングを介して読解に影響することを踏まえ,領域知識がこれらの関係性のどこに影響するかを調べ,WM能力と領域知識が読解に与える影響のメカニズムの詳細を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,学習場面に重要な活動である文章読解を対象として,その成績にワーキングメモリ(WM)能力と領域知識が与える影響が,文章読解の処理プロセス(命題表象生成 vs 状況モデル構築)やWMに保持する刺激の性質によりどのように異なるかを明らかにすることである。また,WM能力がマインドワンダリング(課題無関連思考)を介して読解に影響するという知見を踏まえ,領域知識がこれらの関係性のどこに影響するかを調べることで,WM能力と領域知識が読解に与える影響のメカニズムの詳細を明らかにする。これに関し,令和4年度は,領域知識の個人差が明確な題材として「ポケットモンスター」(ポケモン)の知識に注目し,文章読解と同様に学習に重要な活動である記憶・学習課題における領域知識,WM能力,そして記憶方略の関係を検討した。 実験では,64名の参加者に対し,1)OSPANテストによるWM能力の測定,2)ポケモン記憶方略の教示(半数の参加者のみ),3)未知のポケモンの記憶課題,4)ポケモンに関する知識の測定を行った。また,ポケモン記憶課題のテスト前に,記銘時に記憶方略を使用した程度を回答してもらった。分析では,方略使用度,ポケモン知識,WM能力を独立変数として,それらがポケモン記憶課題の成績に与える影響を一般化線型モデルで調べた。その結果,方略使用度が高い場合,WM能力の効果は見られず,ポケモン知識の効果のみが見られたが,方略使用度が低い場合,ポケモン知識が低い場合にWM能力の正の効果,ポケモン知識が高い場合にWM能力の負の効果がそれぞれ見られた。これにより,WM能力と領域知識は,記憶方略の使用度が低い場合にのみ記憶課題のパフォーマンスに交互作用しながら影響すること,ならびに学習方略の使用はWM能力の効果を無効化することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,文章読解の各プロセスや文章刺激の特徴がWM能力と領域知識の関係に与える影響を検討する。令和3年度までは,コロナ禍による実験実施上の制約のため,信頼にたるデータを得ることは出来なかったが,本年度は,ポケモンの記憶を題材として,WM能力と領域知識の関係に関する実験を行い,実験手法の確立と,それによる一定の成果を得ることができた。 以上より,「概ね順調に進展している」と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は,4年計画の最終年度にあたるため,研究の完成にむけて実験実施を加速していく。具体的には,これまでの研究で作成した文章刺激ならびに課題を用いた実験を9月までに完了し,年度後半に公刊のための準備を進める。実験実施に際しては,実験用コンピュータを複数台同時に使用し,また実験補助者を雇用することで効率的にデータを収集する。実験は,1)文章読解の各プロセスがWM能力と領域知識の関係に与える影響と,2)領域知識がWM能力,マインドワンダリング,文章読解の関係に与える影響の検討に焦点化し,成果を確実に得られるようにする。
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