研究課題/領域番号 |
20K03384
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
北島 正人 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (30407910)
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研究分担者 |
宮下 敏恵 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40308226)
平部 正樹 聖心女子大学, 現代教養学部, 准教授 (20366496)
伊藤 麻里 秋田大学, 学生支援総合センター, 特任講師 (20867741)
木村 久仁子 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (90884388)
柳瀬 亮太 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (10345754)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 再犯 / 負情動 / 否定経験 / 公正世界信念 / 感情制御 / 環境認知 / 感情への恐れ / 薬物乱用 / 心理教育的アプローチ / 感情抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
既存の犯罪対策は主に懲罰を加え犯罪を抑止しようとするスタイルであったが、近年の再犯率の高さを鑑み、刑務所等の矯正施設では教育による再犯予防策が取り入れられている。本研究は、薬物事犯、窃盗・詐欺事犯等の犯罪者の心理的特性を明らかにし、①犯罪行動のみならず日常的にみられる感情、認知、行動等における不適切さとの関連、②問題ある特性の生起要因から導かれる、再犯防止に向けた修正アプローチの検討を目的とする。また、犯罪加害者の持つ公正世界信念および社会が犯罪者に向ける公正世界信念の維持の影響について明らかにし、再犯防止および再出発に向けた社会側の受容について検討することとする。
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研究実績の概要 |
【研究の目的】 本研究は,薬物事犯,窃盗・詐欺事犯等の犯罪者の心理的特性を明らかにし,①犯罪行動のみならず日常的にみられる感情,認知,行動等における不適切さとの関連,②問題ある特性の生起要因から導かれる,再犯防止に向けた修正アプローチの検討を目的とする。犯罪者自身および一般市民の否定的態度を,不適切な公正世界信念という視点からアプローチを検討する。特に累犯者を対象として,否定経験と感情制御困難との関連,犯罪行動の強度(累犯回数,初犯年齢など)との関連を明らかにし,彼らの公正世界信念と,受容する側の一般市民の公正世界信念を捉えることで,幼少期に影響を受けた問題行動傾向の把握,再犯防止,社会による受容へのつながりを検討するものである。 受刑者を対象とした下記の2件の調査は実施した。本調査は2023年度までに完了しており,研究1の成果として2024年8月の日本心理臨床学会での成果発表を予定している。受刑者の幼少期の否定経験が,現在の感情制御・行動統制に否定的な影響を及ぼすことが確認されている。研究2については引き続き分析を行っている。
1.秋田刑務所受刑者300名を対象に負情動と身体感覚の否定経験と感情制御困難および行動制御困難との関連についての調査 2.秋田刑務所受刑者300名を対象に,犯罪種ごとの負情動と身体感覚の否定経験と感情制御困難おび行動制御困難,および怒りと悲しみの感情評価との関連についての調査
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響を受け,刑務所での調査実施が大幅に遅れた。さらに,同感染症の制限が解除されたのちも,刑務所内での集団感染等があり,遅れる事態があった。 現在は予定していた2つの調査は完了しており,さらに追加のデータ収集もあわせて完了している。
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今後の研究の推進方策 |
現在,調査1については2024年8月の日本心理臨床学会での発表を予定している。 調査データの収集はいずれも完了しているため,鋭意データ分析を行い,2つの研究を合わせて学術雑誌への投稿を予定している。特に,当初計画に加えた,犯罪者の心理特性と環境認知との関連について報告できるよう,データ処理に取り組んでいる。 延長後の最終年度となるため,これらの研究成果を取りまとめるとともに,犯罪者の心理特性を踏まえた上での再犯防止への提言をまとめていくことを検討している。
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