研究課題/領域番号 |
20K03389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西 見奈子 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (10435365)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 精神分析 / 精神分析史 / 臨床心理学史 / 臨床心理学 / 歴史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の精神分析の礎を築いた精神分析家古澤平作の遺品調査を通して、日本の精神分析史の構築を目指すものである。そこでは特に日本独自の精神分析理論の成立過程と、草創期における日本の精神分析臨床の実態という二点に特に注目して研究を進める。古澤平作は1932年に欧州に留学しフロイトと面会して精神分析の訓練を受けた人物である。帰国後は日本に精神分析を広めるために邁進し、彼が提唱した「阿闍世コンプレックス」は、日本独自の精神分析理論として国内外でよく知られている。さらに古澤から精神分析を受けたものには著名な臨床心理学者や小説家などが複数含まれる。調査を通して、新たな日本の精神分析史を示したい。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は古澤平作の遺品調査を通して日本の精神分析史の構築を目指すものであったが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、計画を変更し、文献調査を通して草創期の精神分析家の日本の独自性を掘り起こすとともに日本における精神分析史研究の定着を通して、日本の精神分析史の構築を目指した。具体的には古澤平作の教育相談活動や代表的概念の成立過程をまとめ、現代における意義を論じた。さらに2021年より「精神分析史と人文科学」シンポジウムを立ち上げ、ウェブサイト(https://hp.educ.kyoto-u.ac.jp/)を作成し、一般向けの対談やシンポジウムの動画配信を公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本における精神分析史の研究は少なく、自国の歴史さえ海外の研究者によって論じられている状況であったが、本研究を通して、古澤平作の初期の教育相談活動、阿闍世コンプレックスの成立過程、さらに土居健郎の近代性との関連など、草創期の日本の精神分析史の一部を明らかにすることができた。さらに日本の精神分析の研究者を一堂に介したシンポジウムの企画、開催、さらにウェブサイトの開設は、日本における精神分析史研究の定着、発展に寄与するものになったと考えられる。
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