研究課題/領域番号 |
20K03390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
佐田久 真貴 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10441479)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ASD女子 / 臨床行動分析 / グループ / 発達障害 / 特性理解 / グループ療法 / 仲間 / ケースフォーミュレーション / 自己理解 / 意思決定 / 自己肯定感 / 発達障害特性 / 心理教育 / 地域支援 / オンライングループ活動 / 所属感 / 自閉スペクトラム症 / ASD女子 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症(autism spectrum disorders; ASD)女子を対象とした臨床心理学的研究は国内外でも注目されつつも,学術研究としては数少ない領域である.本研究では,ASD女子を限定とした臨床行動分析的グループ療法の実践研究から,支援の「ストラテジー(戦略)」と「タクティクス(戦術)」の関係性と効果をより明確に示すことができ,本研究の指向性の社会的意義を検証することができるであろう.このプログラムは本人や家族,社会的にも非常に意義ある研究であると考えており,成長期のASD女子限定の臨床行動分析的グループ療法を確立させたい.
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研究成果の概要 |
本研究では,ASDなど発達障害の特性のある女子に限定した臨床行動分析学に基づくグループ活動の実践と応用行動分析(ABA)的検証を目的としている.研究期間では3つのグループを実施することができた.個々の課題に対しては,ケースフォーミュレーションに基づき個別介入が奏功した.そして,グループ活動での心理教育による課題解決や特性理解の促進,獲得しているソーシャルスキルの発揮などが確認された. 参加者の満足度は高く,仲間へのかかわり方がより良好かつ適応的な表現に変容し,日常生活においても心理教育の効果が認められた.また,保護者インタビューを行い,グループ活動の社会的意義・臨床的意義が確認された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DSM-5ではASDは女性よりも男性に4倍多く診断されること,臨床例で知的能力障害または言語の遅れを伴わない女児は認定されずにいることを指摘した.本邦もASD女子たちの早期発見と支援が遅れていることが指摘されている.本研究では3グループを実施することができ,個々の課題にはABAによるアプローチの効果が認められ,グループ内では相互の理解や自身の特性理解の促進効果が得られた.保護者へのインタビュー調査により,幼少期と思春期の特性の現れ方を検証したところ,知的能力障害を伴わない発達障害女児の早期介入の難しさが示唆された.彼女たちを養育する保護者への臨床心理学的支援は重要な課題の1つである.
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