研究課題/領域番号 |
20K03397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
千葉 浩彦 淑徳大学, 総合福祉学部, 教授 (40207296)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 感情コントロール訓練 / こども虐待 / PTSD / ACT / 虐待 / 臨床研修 |
研究開始時の研究の概要 |
被虐待経験によるPTSD症状に有効とされる、感情コントロール訓練を含むTF-CBT等は、児童福祉職5年未満の初心者専門家期に普及させるには時間コストが大きい。そこで、感情コントロール訓練の研修だけで、彼らの臨床スキルがどの程度向上し、PTSD症状のある子ども等のPTSD症状にどの程度効果的かを検討する。基本研修段階では、児童相談所において支援マニュアルに従った研修を行い、その臨床スキル向上を検討する(研究1)。感情コントロール訓練では、研修修了後の人材が所属機関で感情コントロール訓練を行い、PTSD症状等への効果を検証し(研究2)、児童福祉現場における研修時間の算定根拠となることを目指す。
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研究実績の概要 |
こどもの被虐待経験によるPTSD症状に有効とされるTrauma Focused-Cognitive Behavior Therapy(TF-CBT)の一部の感情コントロール訓練に、脱フュージョンやマインドフルネス訓練などのAcceptance and Commitment Therapy(ACT)の要素を取り込んだ研修を、児童福祉職5年未満の初心者専門家期職員におこなった場合の研修効果(研究1)と、児童福祉現場における小学生から高校生に対する臨床的効果(研究2)を検討するのが本研究の目的である。 基本研修段階[研究1]は、児童相談所の心理専門職に研修に参加してもらい、感情コントロール訓練の研修を行った。実施においては、自らの担当ケース(PTSD症状を有する子ども・成人)および所属長に対して、匿名化された個人情報の管理方法や、研究参加のリスクなどのへのインフォームドコンセントを得た上で、感情コントロール訓練を実施する。このための大学の研究倫理審査は承認されている。 これまで作成してきた感情コントロール訓練支援教材(シール形式のワークブック75ページ)を完成させた。これは、ストレスと感情の心理教育、感情モニタリング、マインドフルネス、感情表現、脱フュージョン、SST、ライフプランニングの8ステップのワークブック(とその実施方法マニュアル)である。また、昨年までの実際の事例に対する試用経験から、教材の内容の修正を行った。小学校高学年から高校生対象の上記ワークブックとその実施マニュアルは、随時修正を繰り返して、ほぼ完成に近づいている。ただし、小学校低学年版は作成途中である。また、児童福祉現場の多忙な専門職が参加者であるため、研修への参加が急遽できなくなった場合のためのタブレット教材の作成は今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
【現在までの進捗状況】800字以内、改行5回以内 上記のように研究実施の前段を準備してきたが、研修修了者の担当ケースで、研究参加の同意書を書いてもらって本訓練を完了できる研究参加者を見つけることができなかった。これは、児童相談所では自発的相談意欲を持って来所するケースが非常に少ないこと、近年児童相談所が担当するケース数の増大により、8ステップ完了まで相談を継続できるケースが少ないこと、研究参加の契約に保護者にも同意してもらう(研究倫理委員会の承認上必須であった)ことに抵抗が高かったことなどの要因によるものであった。また、初心者専門期職員の臨床スキルがどの程度向上したかの測定については、令和5年度はまだ実施できていない。 当初の計画では、令和5年度は、感情コントロール訓練段階[研究2]として、児童養護施設(就職後6年以内)の臨床心理専門職に研修に参加してもらう予定であったが、これもコロナ禍の影響により、実施が遅れている。過年度に作成した感情コントロール訓練支援教材を使用する予定であったが、教材のシール添付部分の劣化が生じてシールとしての使用できなくなっていたため、印刷・出版業者に依頼して、高品質のシール教材を改めて作成することとなり、子ども対象の実践が進んでいない。したがって、初心者専門期職員の臨床スキルがどの程度向上したかの測定についても滞った状態である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、感情コントロール訓練段階[研究2]で、研修を終えた心理専門職が、児童相談所等の児童福祉施設および心理専門相談機関などの実際の心理臨床現場において、PTSD症状を有する子ども・成人を対象とした感情コントロール訓練を実施し、その臨床適用上の問題を調査する。そして、訓練の効果を検証して、本研究全体の有効性を確認することが目的となる。また、今年度から研修に参加する専門職に対しても研修を行う。その際、研修前後の臨床スキルの測定を行って、スキル向上にどのような研修や臨床実践が影響するかを吟味していくことが大きな目標となる。 以上の結果が分析されると、感情コントロール訓練にどの程度の研修が必要で、それだけでどの程度の効果が見られるかが明らかになり、より高度な研修の必要性・配分の算定根拠になると考えられる。
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