研究課題/領域番号 |
20K03402
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
田中 史子 京都先端科学大学, 人文学部, 教授 (00632788)
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研究分担者 |
大山 泰宏 放送大学, 教養学部, 教授 (00293936)
清水 亜紀子 京都文教大学, 臨床心理学部, 講師 (30509352)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 慢性疾患 / 高齢化 / 心理的支援 / 糖尿病 / がん / HIV/AIDS / がん/悪性腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,今後高齢化が予想される糖尿病・HIV/AIDS・がん/悪性腫瘍などの慢性疾患をかかえて生きている人々に対し,面接による調査をおこない,老年期への不安や心配の様相,心理的支援へのニーズを聴取する。また,慢性疾患の医療に携わっている専門家への聴取やカンファレンスを通して,心理職の専門性のさらなる深化と,今後有効であると考えられる支援方法の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
糖尿病班は,25名の当事者に対して面接調査をおこない,ミーティングでそれぞれの当事者に関する事例検討をおこなった。その結果、当事者は、自身の将来や高齢化社会の到来に対して,漠然とした印象を持っており、将来的にこのままではいられないという意識は持ちながらも,無意識的に今の状態が続くようかのように思っていることがわかった。また、面接調査と同時におこなった質問紙に対して、日常生活は充実しており病気や将来に対する不安を感じないとする当事者と、病気や将来に対して非常にネガティブな印象を持っている当事者とに大きく分かれることがわかった。また、医療者10名に対して面接調査をおこない、高齢化と疾患に関して、認知症の進行・家族の変化などが、共通の課題として認識されていることがわかった。 がん班は,研究計画どおり、当事者27名・医療者10名の面接を修了した。昨年度箱庭療法学会で当事者に関する発表をおこない、現在はその発表に基づいて論文化を進めているところである。また、がんと高齢化に関する論文として、清水亜紀子 Cancer Patients : Bearing Cancer in Mind 1st edition』(Goldie, L. & Desmarais, J.)臨床心理学部研究紀要 16 」を発表した。 HIV班は,コロナ感染・インフルエンザの影響で、当事者の調査が進んでいない状況である。しかし、日本心理臨床学会第42回大会 において「死から老いを生きることへと変容したHIV陽性者とのカウンセリング」を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
がん班・糖尿病班・HIV/AIDS班の3班のうち,がん班・糖尿病班については,2023年度ですべての調査を予定どおり終了した。HIV/AIDS班は,Covid19などの感染症の影響に加えて,医療機関の倫理審査が難航し,糖尿病・HIVの当事者への調査とも実施が困難であった。今年度の研究の問題としては,このHIV/AIDS班の研究の進展の遅さが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在進行が遅れているHIV/AIDS班については、京都市立病院での当事者の調査の受け入れを模索しており、現在病院の倫理審査を受けている状況である。また、医療者調査については、今年度の4月・5月で5名の調査を終えている。8月にはすべての調査を終える計画である。 調査が終了している糖尿病班・がん班では、得られたデータの質的・量的分析に入っている。HIV/AIDS班の調査が終了するまでは、各班が独自に分析をおこない、それぞれ学会発表・論文化を目指す。 HIV/AIDS班の調査終了後から、3班のデータの比較と、得られた結果をもとに医療者とのカンファレンスをおこない、高齢化する慢性疾当事者の心理的支援について議論をおこなう。
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