研究課題/領域番号 |
20K03414
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
吉田 圭吾 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (00230730)
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研究分担者 |
齊藤 誠一 大阪信愛学院大学, 教育学部教育学科, 教授 (60186939)
加戸 敬子 大阪成蹊短期大学, 幼児教育学科, 教授 (60751188)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 神経難病 / 音楽療法 / 心理療法 / 協働 / ライフレビュー / 病気の受容 / ウェルビーイング / 患者・家族支援 / 医療現場 / ライフヒストリー / 在宅療養 |
研究開始時の研究の概要 |
言語的交流が制限を受ける在宅神経難病患者に対するケアは非常に困難である。そこでそのような患者のQOL向上及び“死の準備”を踏まえた自らの人生の受容を目的とした<スピリチュアルケア>の必要性が期待される。本研究は、思い出の音楽や曲、歌を用いて行うライフレビュー、及びその時に泣き叫んだり怒ったりする情動の爆発を通した<スピリチュアルケア>を、音楽療法士と臨床心理士(公認心理師)の協働で行い、その効果を質的に研究することを目的とする。
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研究実績の概要 |
最終年度にコロナがようやく開けて、近畿のパーキンソン病と筋ジストロフィー症の患者計9名、及び長野県のALS患者2名のプロジェクトが実施に至った。しかし、主治医を通しての、仙台のALS患者の協力は得られなかった。音楽療法と心理療法の協働は行われ、長野県の患者1名の死亡以外は、最後まで研究を遂行できた。仮説通りではなかったが、少なくとも精神的健康を表すPOMS2のプラスの側面に対しては、音楽療法と心理療法のコラボが、増加させる効果が有意に見出された。先行研究ではマイナスの側面を減少させる効果も見られたが、それは見られなかった。事例毎に検討した結果、音楽療法と心理療法の協働で、精神的健康のプラスを増やし、マイナスを減らす効果の見られた患者もいたが、心理療法により、発病以後のライフレビューを行い、病気のマイナスの側面を見つめて、マイナスが減りにくかった患者も見られた。しかし、マイナスは減らなかったが、音楽療法と心理療法の協働により、活気・活力は増え、友好も増えた患者は多く、音楽療法と心理療法の協働は、神経難病の患者の活力・活気を増加させ、友好も増加させることがわかった。今後は長期にわたる支援もプロジェクトに加える必要性がわかった。また、今回は心理療法が3回と少なくて、ライフレビューが人生の受け入れにまで至らず、マイナスの側面の減少に至らなかった。今後は心理療法を増やし、ライフレビューを完遂させることで、人生における病気の受け入れを進めることも期待された。
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