研究課題/領域番号 |
20K03424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
飯田 沙依亜 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (70581461)
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研究分担者 |
巌佐 正智 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (20444375)
小川 時洋 科学警察研究所, 法科学第四部, 室長 (60392263)
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研究期間 (年度) |
2021-02-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 感情 / 感情制御 / 接近―回避行動 / 反復 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では刺激に対する接近-回避行動の反復が、刺激によって喚起される感情に及ぼ す影響を共時的・継時的に検討し、①接近-回避行動による自動的な感情制御のメカニズム を明らかにし、②その応用可能性について検討する。 具体的には1年目に接近-回避行動が感情に及ぼす影響について詳細に検討可能な実験プロトコルを確立し、2年目には得られた成果をもとに、接近-回避行動の反復による感情制御を修飾する要因を整理し、そのメカニズムについてモデルとしてまとめる。3年目は刺激を実験参加者が苦手とするものに置きかえ、接近-回避行動の反復による感情制御が日常場面でも有効か実証的に検討する。
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研究実績の概要 |
現代社会において感情制御は必要不可欠なスキルの1つである。他方、感情制御がそれほど容易ではないことは経験的にも明らかだろう。特に苦手意識については、克服できれば上手くいくことがわかっていても自動的に生起してしまい、どうしようもできずに困っている人も多い。本研究では①刺激に対して特定の行動を繰り返し行うことで、刺激に対する感情を自動的に制御できることを明らかにし、更に、特定の刺激に対する感情の中でも、しっかりと定着してしまった②苦手意識の克服も可能かを検討することを目的としている。本研究を通して、感情とは直接関係ないものの、感情に確実に働きかけることが可能で、誰にとって も負担の少ない感情制御方略を提案することが可能となる。 今年度の目標は、刺激に対して特定の行動を繰り返し行うことで、刺激に対する感情を制御できることを、まずは現象として確認し、更にこの現象を実験的に検討可能とするための基本的な実験プロトコルを確立することであった。 具体的にはアイオワ・ギャンブリング課題を取り上げ、本来、特定の感情を喚起することのない無意味図形が、課題に関連づけられることで感情価を獲得するかどうかを検討した。その際、アイオワ・ギャンブリング課題を修正し、選択肢のカードを複数の異なる無意味図形に置き換えた。選択行動の変化に伴って、選ばれるようになった無意味図形、選ばれなくなった無意味図形、それぞれの印象の変化の過程を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オンラインでの実験を初めて実施するにあたり、準備に必要以上の時間がかかったことが主な理由である。この点に関しては、今年度中に1度、データの取得まで終わらせ、一通り経験できたことで、次年度、問題になることはないと考えられる。むしろ、オンラインで実験を実施することによって、データ収集にかける時間を大幅に短縮することが可能となったため、次年度は何とか遅れを取り戻せるように準備していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
まずは今年度得られたデータの分析、発表を進めながら、当初、予定されていた実験を迅速に遂行していくことが急務である。次年度はひとまず特定の行動の反復による感情制御の効果を修飾する要因の整理が概ね終わっている状態を目指す。
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