研究課題/領域番号 |
20K03425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 東海学園大学 |
研究代表者 |
角田 美華 (樋町美華) 東海学園大学, 心理学部, 教授 (20550974)
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研究分担者 |
山川 香織 東海学園大学, 心理学部, 准教授 (00742131)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | ざ瘡 / 社交不安 / 主観的評価 / 客観的評価 / 心理的プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,皮膚疾患の中でも多くの人が経験するにも関わらず軽視されがちであるざ瘡(ニキビ)に焦点をあて,ざ瘡を有する者の社交不安症状への心理教育プログラムを開発しその効果検討を行うことで,ざ瘡を抱える者への心理支援の必要性を社会へと発信することを目的としている。また,本研究は基礎心理学領域である生理心理学と応用心理学領域である臨床心理学的視点を併せ持つ研究であることから,これまでの臨床心理学的支援よりも幅広し視点を持った支援内容を提供するためのきっかけになるものである。
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研究実績の概要 |
本研究は,皮膚疾患の中でも多くが経験するざ瘡に焦点をあて,ざ瘡を有する者の社交不安(Social Anxiety: SA)症状への心理教育プログラムを開発しその効果検討を行うことを目的としている。研究代表者のこれまでの研究成果から,ざ瘡を有する者(自覚できる症状がある者)の中には「主観的な不安への自覚が乏しいにも関わらず回避行動を強く示す」といった矛盾が生じている者の存在が明らかになっている。この成果をもとに,心理教育プログラムを開発しその効果検討を行う際には,矛盾が生じている者に焦点をあてることとしている。2022年度はざ瘡を有する者のSA症状である社交場面での恐怖と回避行動について主観的側面から検討することを目的としていた。具体的には,ざ瘡を有する大学生および社会人とそうでない大学生および社会人を対象にSA症状を社交場面における恐怖および回避行動,不安感受性,他者からの否定的/肯定的評価に対する恐れといった主観的評価について調査し明らかにすることを計画していた。また,ざ瘡を有する者のSA症状を表情認知の観点から客観的に明らかにするため,ざ瘡を有する大学生を対象に5つの表情刺激を用いて実験を実施することも目的としていた。 これらの目的が達成されることにより,多くの人が経験するからこそ軽視されがちなざ瘡を有する者が抱える心理的問題を社会へと発信することができるといった意義がある。同時に,わが国において不足しているざ瘡を有する者の心理的問題について,心と皮膚の専門家が考えるきっかけを与えることができるであろう。研究成果を一般社会へと還元することが求められるが,この3年間は新型コロナウイルス感染症の蔓延により,予定通りに研究成果を示すことができていない状況にある。5月に入り新型コロナウイルス感染症が5類となったため,今後は,感染症蔓延以前の状況で研究を進めることを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は,新型コロナウイルス感染症が落ち着きはじめこれまで通りの業務へと移行していた時期ではあった。しかし,マスク生活を強いられるなどといった日常生活はまだ感染症蔓延以前の状況とは言えなかった。本研究は,他者からの評価への恐れといった心理的問題が核となる研究であることから,研究実施を開始するには早い段階だと考えられ計画通り進めることができていない状況にある。実際に,マスク着用と社交不安の関連性といった研究成果が公表されていることから(例えば,宮崎・鎌谷・河原,2021),このような知見を十分に把握し研究を進める必要があるといえる。2023年度に入り,研究代表者が置かれた業務環境および研究環境も感染症蔓延以前の様子を取り戻しつつあることから,2023年度は感染症蔓延以前のように研究のための時間を設け,成果公表へとつなげることを予定している。 現在は,調査開始のために必要な手続きについて最終確認している段階である。また,上述した宮崎他(2021)の研究成果など申請者自身の研究につながるとも考えられる知見も多く公表され始めていることから,それらの見解についても理解を深めている状況である。より時代に即した研究成果を公表するため,最新の知見についてもふれながら研究開始の準備にあたっている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,昨年度までに終了させる予定であった研究計画の実施期間を変更し実施することを予定している。現在,ざ瘡を有する者の社交場面における恐怖および回避行動,不安感受性,他者からの否定的/肯定的評価に対する恐れといった対象者の主観的評価に関するデータを収集することを中心とし,それに加えてアイトラッキングを用いた視線追跡による表情刺激に対する反応といった客観的データを得るための実験を実施するといった2つの研究実施を予定している。いずれの研究も終了していないため,2023年度の9月を目途に主観的評価に関するデータを収集し調査研究を終えることとする。主観的評価に関するデータ収集には,客観的データ収集(実験)に関わる対象者を確保するため,計画に記載した大学生を対象者とすることを予定しているが,主たる対象者をリサーチサービス企業に登録する者と変更する予定である。 2023年9月までに収集し終えたデータ分析と同時進行で表情刺激に対する反応に関する実験を開始し,2023年末には当初予定であった心理教育プログラムの内容を決定し,時間が許す限りその効果の検証を行うこととする。可能であれば,研究期間延長の申請を行い,予定している本研究のすべての成果について公表することを検討している。実験においては,感染症の状況を考慮し参加者数を50名(ざ瘡を有する者25名,ざ瘡を有さないも25名)から30名(ざ瘡を有する者15名,ざ瘡を有さないも15名)程度に変更することを予定している。また現状では,心理教育プログラムの効果検証は,集団実施を予定しているができる限り多くの対象者を確保するために,個別実施に変更し効果の検証を行うことも検討している。
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