研究課題
基盤研究(C)
災害は人々に大きな被害をもたらします。そして災害では様々な支援活動も行われます。どのような支援が、災害後を生き、よりよい人生を送るためには必要なのでしょうか?今、新型コロナウイルスが世界で猛威を振るっています。人類の危機とも言えるこの事態を乗り切らなければなりません。このとき過去の災害経験、それぞれの価値観や人生観、そしてどのようなことが役立つのか、それを明らかにするために、本研究では、北海道胆振地区に焦点を当て、そこに暮らす人々や専門家、関係機関と協力して知恵を絞り、研究に取り組んでいきたいと考えています。コロナが落ち着いたら、結果は、2022年に、公表できる予定です。
本研究は、災害経験が中長期的に人々の心身に与える影響と、そこから生活を立て直し、ストレスに対処する適応過程を明らかにすべく2018年胆振東部地震災害、2020年の新型コロナ感染症、2022年ロシアによるウクライナ軍事侵攻という異なる災害事態による人々への心理学的影響と適応に関わる研究を実施した。研究結果は、新型コロナ禍で示される心身不適応状態は、地震直後と同様か、それよりも高いことを示し、経年変化は感染予防対策が、高いストレスを生むことを示している。また、2022年のロシア軍事侵攻後のウクライナ心理学専門家に対する遠隔グループワークにサイコドラマ手法が有効であることを示した。
本研究は、当初の計画にはなかった、新型コロナウイルスという感染症被害と地震災害による心身への影響比較調査が可能となったという点で、学術的意義が高いものとなった。また、この研究結果から新型コロナウイルスがもたらした心身の変調の程度が、地震直後の被災者よりも高い程度自覚され、新型コロナウイルス感染症対策の社会的行動抑制がストレス要因となっていることが明らかにされており、社会的意義ある結果となった。
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室蘭工業大学紀要
巻: 72 ページ: 1-17
巻: 71 ページ: 39-59