研究課題
基盤研究(C)
Self-practice/Self-reflectionプログラム(SP/SR)とは、認知行動療法の新しいトレーニング法である。自らの問題に対して認知行動療法の技法を使って取り組み(Self-practice)、そのプロセスを振り返って記述する(Self-reflection)ことによって、スキルの知識や技法の習熟だけでなく、体験的理解が促され今後に生かすべきことを自分で見つける省察力が育まれることが明らかになっている。本研究では、SP/SRプログラムの日本語版を確定し、心理職のトレイニーの省察力がこのプログラムによって高まるかを確認する。
Self-practice/Self-reflectionプログラム(SP/SR)とは、認知行動療法の新しいトレーニング法である。自らの問題に対して認知行動療法の技法を使って取り組み(Self-ractice)、そのプロセスを振り返って記述する(Self-reflection)ことで、スキルや技法の体験的理解が促進され、内省力が育まれることが明らかになっている。本研究課題では、SP/SRプログラムの日本語版を確定し、心理職のトレイニーの内省力がこのプログラムによって高まるかを確認することを目的としている。プログラム実施準備や研究については開発者のBennett-Levy教授とWebミーティングを重ねて実施した。2022年度(3年目)は前年度に引き続き、M1の院生9名を対象にプログラムの実施可能性・受容性についてのデータを収集した。これまでの計3回・33名に対するSP/SRグループの実施を量的・質的に評価することで、各モジュールでの実施時間をはじめとする具体的なプログラム構成が定まった。総じて、実施可能であり、満足度の高いプログラムとなった。また、内省の高まりや実際のクライエントへのかかわりについてもよい影響があったとの回答が多いことが明らかになった。トレーニング中の大学院生とは別に、2022年度は2つの学会において主に臨床家に対する2時間(70名程度)と5時間(30名程度)のSP/SRワークショップを実施し、いずれも高い満足度や内省の高まりの報告が得られた。これは前年度の同対象向けワークショップ(70名程度)と同様の傾向であり、SP/SRプログラムが経験豊かな臨床家にも受容される可能性を示唆している。
2: おおむね順調に進展している
実施可能なSP/SRプログラム日本語版を開発することができ、合計33名の大学院生のデータを得ることができた。今後は国際学会や学術誌において発表をおこなっていく。
3回分のデータを整理して、Bennett-Levy教授と議論を行い、SP/SRプログラムの形式を確定させた。今後はプログラムを継続して実施するとともに、国際学会や国際学術誌での発表を計画している。
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