研究課題/領域番号 |
20K03461
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
木谷 秀勝 山口大学, 教育学部, 教授 (50225083)
|
研究分担者 |
岩男 芙美 中村学園大学, 教育学部, 助教 (00781030)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 女性の自閉スペクトラム症 / 内在化障害 / 自己理解 / 自閉スペクトラム症 / 社会的カモフラージュ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、自閉スペクトラム症(以下、ASD)女性に特有な社会的カモフラージュや内在化障害の問題(社交不安と心身症等)が注目されている。今回の調査研究では、試行的に行ってきたASD女性の「自己理解」プログラムの成果を援用しながら、社会的カモフラージュや内在化障害に対する新たな支援方法の開発を目標として調査研究を進める。具体的には、①多くのASD女性に見られる社会的社会的カモフラージュや内在化障害の特徴を半構造化面接や心理アセスメントを通して明確にする。②その成果を基として、女性ASDが安心かつ安全に「自己理解」を進めることが可能な効果の可視化を取り入れた支援方法の開発を進める。
|
研究実績の概要 |
令和3年度は、新型コロナウィルス感染の拡大の影響を受けたため、①女性ASDを対象とした半構造化面接を通しての質的分析、②既に試行してきた女性ASDを対象とした短期集中型「自己理解」プログラム(1泊2日)の実施を、次年度に延期した。そこで、令和3年度は、デイキャンプ方式で通称「ガールの集い」を以下のとおり、オンライン開催を3回(5月・11月・3月)、オンラインと対面参加のハイブリッド形式の開催(7月)を1回、計4回を日曜日の午後に実施した。参加者:中学1年生から20代までの専門医からASDの診断及び診断告知を受けている女性14名が参加した。参加に際しては、保護者と本人からの同意を得たうえで参加してもらい、中学生の場合には保護者が近くで様子を見てもらうように依頼した。スタッフ:統括責任者の木谷を除いて、全員女性の臨床心理士がスタッフとして進行をサポートした。ハイブリッド形式の7月は最小限のスタッフと講師(マスクをしたままの化粧がテーマ)の女性ASD当事者だけが参集(感染予防対策を図ったうえの参加とした)した。 以上のとおり、継続的にプログラムを行っていることもあり、自分自身の心身の健康状態の維持だけでなく、促進させるための余暇活動(ヨガやストレッチなど)を主体的に取り組みながら、コロナ禍の日常生活を過ごしていることが理解できた。同時に、オンライン開催ではあるが、参加者同士が発言を共感的に視聴する姿勢が見られるようになり、中学生2名も積極的に発言する機会が増えてきている。 一連の研究成果報告会を令和3年10月6日に福岡市(ふくふくプラザ)において、「女の子・女性の発達障害の理解と支援」をテーマとして、木谷・岩男が中心となり開催した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染状況が予想外に長期にわたり、今年度も、調査対象である女性ASDに対して、安全な状況での半構造化面接や1泊2日でのプログラムの計画を実行することが困難な状況が続いている。したがって、計画の大半を次年度に繰り越したために、当初の計画から大きく遅れた結果となった。ただし、定期的な自己理解のための継続プログラムへの参加者は増えており、また、調査研究に対する関係者(福岡市自閉症児者親の会や医療関係者)の協力体制も拡大しているため、次年度は確実に実施できる予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、新型コロナウィルス感染の状況にもよるが、今年度実施できなかった女性ASDを対象とした半構造化面接を行うこと、短期集中型「自己理解」プログラム(1泊2日)を行なう計画である。先に示したように、参加希望者は増えており、調査研究の対象者を増やすなど、調査研究の充実を図ることは十分に可能である。ただし、感染状況を十分に確認しながら、安全かつ安心した調査環境を保つことを最優先しながら計画を進める予定である。 同時に、研究代表者の木谷が中心となり、本調査研究を含めた女性ASDに関する最新の研究成果を共著として令和4年9月に出版することが決定している。
|