研究課題/領域番号 |
20K03469
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10030:臨床心理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山田 裕子 北里大学, 健康管理センター, 准教授 (80626812)
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研究分担者 |
守屋 達美 北里大学, 健康管理センター, 教授 (50191052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 大学生 / 精神健康 / ハイリスク / 希死念慮 / コロナ前後の比較 / 後方視研究 / 量的・質的研究 / こころの健康調査 / アウトリーチ活動 / 縦断的変化 / 学生相談 / COVID-19 / 経年変化 / 学生支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、第一に本学の学生の悩みや希死念慮の発生、維持、変化に関連する要因を解明すること、第二に希死念慮を経験した学生の時間的変化と学生生活との関連を明らかにすることを目的とする。毎年度実施するこころの健康調査を基盤として、その結果に基づいて行う呼出面接、並びに、自主的に来談した学生との面接等から得られたデータについて、横断的観点と縦断的観点から分析する。また、希死念慮を経験した学生が時間の経過とともにどのように変化するのか、それに関連する要因は何かを質的に分析する。長期的には、各大学において悩みや希死念慮がありながら相談できない学生に対する相談活動や支援の実践の向上に寄与することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、第一に学生の悩みや希死念慮の発生、維持、変化に関連する要因を解明すること、第二に希死念慮を経験した学生の希死念慮の縦断的変化と学生生活との関連を明らかにすることである。基本的に前方視研究で計画していたが、2020年度のCOVID-19感染拡大により縦断研究初年度のデータ収集が思うようにできなかったことに加えて、調査方法等様々な変更を余儀なくされた。そこで計画を全体的に見直して後方視研究に変更し、「希死念慮がある学生の特徴を明らかにする」という本研究の目的の本質を軸に以下の目的・内容に修正した。【研究1】では、北里大学健康管理センター学生相談室が全学生対象に行っている「こころの健康に関する調査」をきっかけに来談した学生と自主的に相談目的で来談した学生の申込票回答データを研究対象とする。そして、対象者の背景、生活習慣、精神健康度、学生生活上の困り事等について、「希死念慮がある学生群」と「希死念慮がない学生群」を全体及び年度毎に比較し、2群間の差異を検討する。【研究2】では、「希死念慮がある学生群」について、申込票をもとに行う初回面談記録の中から自殺リスクアセスメントに関する記述を抽出し質的分析を行うことで、希死念慮の発生要因と行動化に発展させない保護要因、更に、希死念慮がある学生の状態像を明らかにすることを目指す。最終的に、これらの量的質的研究を総合的に考察する。 当初は2020年度から2023年度の4年間でデータを収集する予定であったが、後方視に切り替えたことで、2017年度から2023年度の間に収集したデータを分析することに変更した。それによりCOVID-19前後の比較も可能となる。修正した研究計画は北里大学医学部・病院倫理委員会の承認を得た。2023年度でデータ収集は終了しており、オプトアウト用資料を学生相談室と倫理委員会ホームページに掲出している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究を開始した2020年度は、COVID-19感染拡大に伴い研究計画通りに進めることができなかった。当初は、4月の新年度ガイダンスの中で全学部生に調査を実施する予定であったが、2020年度のガイダンスは5月半ばに延期となり、かつ、その方法はオンラインでの配信や資料の郵送という形に変更された。そのため、調査もオンライン形式に変更せざるを得なかった。また、学部生は2020年度前期中のキャンパスへの入構が原則禁止されたため、調査の結果から精神健康面においてハイリスクの可能性があると判断された学生に対して呼出面談を行うことができなくなった。代替手段として電話で学生の状況確認を行ったが、本研究で分析対象としている「死の思考」「希死念慮」については、危機対応ができない状況で学生に尋ねることは適切ではないという臨床上の判断により、本研究に必要なデータを収集することができなかった。 2021年度から2023年度については、2020年度に開発したWeb調査を引き続き活用し、その後の呼出面談は感染対策を講じながら対面と遠隔(Zoomもしくは電話)を併用して実施することができた。しかしながら、初年度の2020年度にデータ収集ができなかったことから、予定期間内に前方視的に縦断研究を行うことは困難になった。そこで、研究計画を見直して後方視的研究に変更し、オプトアウト形式による情報開示を行うことでコロナ以前の2017年度から2019年度のデータを用いることにより、本研究の目的の達成を目指した。修正した研究計画については、北里大学医学部・病院倫理委員会の承認を得てオプトアウト形式による情報の開示を行なっている。2023年度までのデータ収集は終了したが、収集したデータを集計・整理する作業が遅れている。今年度はデータの整理と分析作業を進め、結果の公表に繋げていく所存である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を後方視研究に切り替えたことで、データ収集は当初の予定通りの期間で終了することができた。ただし、2021年度から2023年度は感染対策を講じながら呼出面談を行ったため、全ての年度においてデータ収集が後期の9月下旬までかかってしまい、データを集計して整理する作業を積み残している状況にある。今年度も7月までは学生相談業務が繁忙期のため、比較的時間がとりやすい8月に集中してデータの集計と整理の作業を行う必要がある。科研費の研究期間は今年度で終了するが、データ収集は完了しているため、今年度でデータの整理と分析を行い、2025年度に結果の公表を行えるように進めていく所存である。
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