研究課題/領域番号 |
20K03477
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
本山 宏希 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (30555230)
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研究分担者 |
川端 康弘 北海道大学, 文学研究院, 教授 (30260392)
成本 忠正 東京福祉大学, 心理学部, 准教授 (60434560)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 心的イメージ / 視知覚処理 / 抑制 / 色知覚 / 視覚イメージ / 色情報処理 / 語彙性判断課題 / イメージ時間 / 促進 / fMRI / 脳イメージング実験 |
研究開始時の研究の概要 |
鮮明なイメージを思い浮かべたいときには目を閉じるという人は多いのではないだろうか。これは目を開けていると外界から視知覚情報がどうしても入力されてしまい,それが視覚イメージの生成を困難にするためである。このように視知覚情報処理・視覚イメージ生成は相互に競合する関係にある。ただし,両者が競合し困惑するといったことを日常経験することはほとんどない。すなわち,通常は両者を競合させずスムーズに行わせる何らかの認知機能が作動していると考えられる。本研究は,1)そういった心的機能の実在性を検証し,2)それが確認された場合,その機能を組み込んだ新たな視覚イメージ生成モデルの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,イメージ想起中に視知覚処理を抑制する機能,またその逆の視知覚処理中にイメージ生成を抑制する機能について検証する。本年度は主に視覚イメージ想起中に視知覚情報の処理が低下するか否かを検証する行動実験を行った。 色のついたイメージ(たとえばリンゴ)を想起中に,イメージされる色(赤)と同一の視覚刺激を処理する場合と,イメージされる色とは異なる(緑)視覚刺激を処理する場合,もしイメージ想起が視知覚処理を抑制するなら,イメージと同一の色の視知覚処理課題はイメージとは不一致な色の視知覚処理課題より,課題成績が低下するかもしれない。一昨年度は,りんごのイメージを想起する場合とりんごの画像を観察する場合とを比較して,りんごのイメージを想起する方が,イメージと同一の色の視覚処理課題成績が低下するか否かを検討した。このとき,イメージ想起時間を6秒,4秒,2秒と3条件設け,イメージ想起時間の長短によって,イメージ想起が視知覚処理に及ぼす影響が異なるかについても検討した。しかしながら,いずれの条件においても,画像観察中と比較してイメージ想起中にイメージと一致した色処理が低下する等,イメージ想起が視知覚処理を抑制することを示唆する結果は得られなかった。 そこで,昨年度は,視知覚刺激の提示条件を変更した。画像観察中にその画像とは異なる視覚刺激を提示すると,視覚刺激処理が直前の画像観察による干渉を受ける。これと同様に,イメージ想起中でも同時に行う視覚刺激処理に干渉が生じるかを検討する実験を行った。しかしながら,イメージと同一の色刺激処理課題と不一致な色刺激処理課題両者間に差はみられず,やはりイメージ想起中に視知覚処理が抑制されることを示唆する実験結果は得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
まず,コロナ禍の影響により,研究開始から1年半程度,学生と対面することができなかったため,実験の実施ができなかった。また,一昨年度,昨年度と複数の実験を実施しているが,当初想定していた視覚イメージ想起中に視知覚処理が抑制されるという心理現象が生じる条件をまだ特定できていない。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,(1)イメージ生成中に視知覚情報処理が低下するか否かを検討する行動実験の実施と(2)申請者が実施した,視知覚処理課題実施中にイメージ想起が抑制されることを示唆する実験結果の論文化を行う予定である。 (1)については,昨年度まで実施していた実験手続きを修正した実験を行う。昨年度まで行っていた実験では,イメージ想起中に参加者に課す課題は,イメージと一致した色で提示された文字列が単語か非単語かを判断する語彙性判断課題であった。ただし,イメージ想起中に課す視知覚処理を要する課題として,より視知覚処理に特化した課題の方がよいのではないかとイメージ研究者から助言をいただいた。そこで,本年度はイメージ想起中に参加者に課す視知覚課題として,イメージと同色(あるいは異なる色)のランダム図形を検出閾程度の彩度で提示し,その図形を検出できたか否かを測定する。イメージ想起が視知覚刺激処理を抑制するのならば,イメージと同色の視知覚刺激の検出は異色のものと比較して低下するかもしれない。 (2)については,現在,視覚イメージの想起を抑制する心的機能の実在性については,申請者が発表した論文(Motoyama & Hishitani, 2016)で示されているのみである。今後,さらに視覚イメージが抑制されることを示す知見を提示し,イメージ生成を抑制する心的機能が実在することの確からしさを高める必要がある。申請者はMotoyama & Hishitani (2016)とはまた別の視覚イメージ生成を抑制する機能の実在性を示唆する実験結果を学会で発表しており,今年度はその実験結果の論文化を目指す。
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