研究課題/領域番号 |
20K03480
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
松田 いづみ 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (80356162)
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研究分担者 |
入戸野 宏 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (20304371)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 接近動機づけ / 回避動機づけ / 葛藤 / 接近-回避 / 潜在連合テスト / 誤反応率 / 隠蔽 / 隠匿情報検査 / オンライン実験 / 心拍数 / 呼吸 / 自律神経系反応 / 脳波 |
研究開始時の研究の概要 |
日常生活では,「食べたいけれど太りたくない」など,接近傾向と回避傾向が同時に高まる場面がよくある。しかし,接近-回避傾向を測る既存の課題や指標では,両方が高まる葛藤状態を評価できない。本研究では,接近傾向と回避傾向を2次元でとらえ,それぞれを独立して評価する手法を確立する。潜在連合テストの一種であるマネキン課題を改良し,接近傾向と回避傾向を行動指標から,両者の葛藤の程度を生理指標から評価することを試みる。
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研究成果の概要 |
日常生活では,「食べたいけれど太りたくない」など,接近傾向と回避傾向が同時に高まる葛藤場面がよくある。しかし,接近-回避傾向を測る既存の指標では,葛藤状態を評価することができない。これは,接近-回避傾向を同一次元上で捉えているためである。本研究では,接近傾向と回避傾向が同時に高まる葛藤場面も測定できるよう,従来の接近-回避指標を改良することを目指した。まず,接近傾向・回避傾向をそれぞれ測る二次元尺度を提案した。また,画面上のマネキンを使って対象に接近・回避課題を行わせた場合,葛藤の影響は,反応時間ではなく誤反応率の増加にあらわれることを示した。葛藤に対応する生理反応は同定できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は,これまで評価が困難であった接近動機づけと回避動機づけが同時に生じる状況を評価する際に役立つ。近年,感情の次元として,感情価(快-不快),覚醒度(興奮-沈静)に加えて,動機づけ(接近-回避)についても注目されるようになってきた。しかし,接近-回避動機づけは一次元では表現できないと考えられる。本研究により,動機づけについてより適切に評価する方法が提案されたことで,今後,感情に対する理解がさらに深まることが期待される。たとえば,質的に異なるとされるさまざまなポジティブ感情を分類する際,感情価・覚醒度に加えて動機づけを正しく評価することで,新たな知見が得られる可能性がある。
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