研究課題
基盤研究(C)
嗅覚からアプローチする新しい脳トレーニング法の提供を目指し、ヒト、動物実験のそれぞれの利点を生かし嗅覚刺激が脳の機能、神経再生に与える影響を明らかにする研究である。ヒトの実験では機能的磁気共鳴画像、拡散強調画像を用いて嗅覚部位の活動性と神経密度を測定し、生活習慣、睡眠、認知機能などの主観調査との相関性を解析する。脳の活動性、密度を維持している人のライフスタイルの特徴を明らかにする。マウスの実験では嗅覚刺激が実際に記憶を司る海馬の神経再生を促進させるかと細胞分裂マーカーを用いて脳切片作成から増殖細胞の量と速度を測定する。ヒト、動物実験の結果から嗅覚刺激を用いた脳トレーニング法を創出する。
計画していたヒトにおける嗅覚刺激の脳内活動を機能的磁気共鳴画像により捉える実験を終え論文としてまとめ、学会にて発表を行った。測定データの視点と解析方法を変え高齢者における嗅覚を多角的に捉えることができた。例えば、嗅覚領域の体積と脳の活動の大きさとの関連性、嗅覚領域と前頭葉との接続性などが嗅覚のレベルに影響を与えていることが理解でき、今後のテーマにつながる見解を得ることができた。また動物実験を終え論文として形にできたが新たな課題もみえてきた。海馬の神経の新生は、嗅覚を単に刺激するだけではなく、記憶を想起させ活性化させることが重要であると考察した。ヒト、動物実験でしかみることができない部分を捉えることができた。今後の実験では脳波を測定する予定であるが、その方法、解析手段、準備を整えることもでき来年度に良いスタートができそうである。
2: おおむね順調に進展している
順調に進んでいるが、コロナ渦において研究発表の機会が限られていたため、延長期間に成果の発表をしていきたい。
これまでにヒトにおいて機能的磁気共鳴画像と磁気共鳴画像を用いた実験をおこなってきた。より多くの高齢者に適応できるよう非侵襲性が高く、測定が勘弁な脳波を用いて記憶と関連する嗅覚刺激で前頭葉や視覚領域の活動を捉えることができるかを検証する予定である。また嗅覚による記憶の想起と聴覚、視覚刺激での記憶の想起でどのように異なるのかを検討する予定である。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 1件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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