研究課題/領域番号 |
20K03490
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
白間 綾 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 室長 (50738127)
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研究分担者 |
住吉 太幹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 部長 (80286062)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 統合失調症 / 認知機能障害 / 自律神経系 / 瞳孔計測 / 神経伝達系 |
研究開始時の研究の概要 |
従来,統合失調症はドーパミン(DA)過剰状態の表れであるとされてきた。D2受容体の発見や抗精神病薬,DA作動薬を用いた研究から,皮質におけるDA活性の不足と,皮質下における過剰を想定した統合失調症モデルが考案された(Davis et al., 1991)。一方,DA系に作用する抗精神病薬だけでは,統合失調症の認知機能障害を十分に改善できず,非 DA系の寄与を含めた包括的な理解が必要である。そこで本研究では,瞳孔径および網膜電図からDA,NA,Achの3系を非侵襲的に推定し,統合失調症の認知機能障害に各系が及ぼす影響を検討する。
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研究成果の概要 |
統合失調症で障害される認知機能には複数の神経伝達系が関与すると考えられている。本研究では,統合失調症の認知機能障害のメカニズムを理解するために,複数の神経伝達系の働きを推定する非侵襲的な手法を考案した。とくにアイトラッカーで計測された瞳孔径データの時間的複雑性と左右瞳孔の非対称性の解析により,覚醒や注意機能を担う青斑核と交・副交感神経(ACh系、NA系)の活動を推定する手法を考案した。また,網膜電図によるDA系の活動推定の有用性について検討した。続いて,推論課題中の瞳孔径データの解析から,統合失調症患者では覚醒システムの異常により予測の不確実性情報が効果的に利用されていない可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症では,記憶,注意,作業記憶,問題解決,処理速度などの広範な認知機能に障害が見られる。認知機能障害は患者の生活能力や機能的転帰に対して陽性症状や陰性症状と比べ強い影響力をもち,統合失調症の中心的特徴と考えられている。統合失調症における認知機能障害には複数の神経伝達系が複雑に関与しているのみられるが,従来の手法ではこれらを同時に評価することは難しかった。本研究では,アイトラッカーやERGといった非侵襲的な計測方法を用いて神経伝達系の活動を評価する手法を考案した。
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