研究課題/領域番号 |
20K03494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大上 淑美 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 研究員 (30456264)
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研究分担者 |
小谷 泰則 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 助教 (40240759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 実験心理 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の脳科学では、顕著性ネットワークと呼ばれる脳内のネットワークが脳の安静状態と活動状態を切り替えるというモデルが提案されている。しかしその切り替えメカニズムについては明らかにされていない。そこで、本研究では、1)顕著性ネットワークはどのようなメカニズムで安静状態と活動状態を切り替えているのか?という問いに対し、fMRIと脳波を用いて検討する。さらに、2)顕著性ネットワークは内受容感覚の情報をもとに脳の安静と活動を切り替えているのではないか?という仮説についても検証していく。
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研究実績の概要 |
本研究は、脳内ネットワークの切り替えと内受容感覚の相互作用を検討するため、脳波実験とfMRI実験を行う。どちらの実験にも時間推定課題(指定した数秒程度の時間を頭の中で数え、指定された時間が経過したと思ったらボタン押しをする。数秒後に報酬の有無やフィードバック(FB)刺激の有無を示され、さらに数秒後に時間評価が合っていたか間違っていたかのFB情報の呈示がある)を用いる。実験条件は、報酬条件(RW)・報酬なし条件(NR)・FBなし条件(NF)の3条件を設定した。切替刺激として「RW」を提示した場合、被験者の時間予測が正しければ、報酬(百円)を与えた。「NR」であった場合は無報酬、NFの場合は、FB刺激が省略された。脳のどこが活動しているかをfMRI実験で観察し、その活動がいつ起きているかを脳波実験で観察する。 3年目の本年度は、脳波測定を行う予定であった。感染対策も考えていたが、測定は締め切ったシールドルーム内での実施となり、脳波実験の実施を断念した。しかし、fMRI装置であれば、測定前に時間を必要とせず、被験者はマスクを着け装置内に横たわる姿勢なので、実験可能と考え、本年度はfMRI実験を重点的に実施する方針に変更し、20名程度の追加測定を行った。昨年度に加えて、合計31名分のデータ収集ができた。 顕著性ネットワークに寄与度の高い島皮質の活動を中心に見ると報酬条件(RW)時に島皮質に活動があったが、報酬なし条件(NR)・FBなし条件(NF)では島皮質の活動は生じなかった。つまり、報酬がスイッチということになり、RW条件では左右両側の島皮質が賦活し、NR条件とNF条件ではスイッチが入らないので、島皮質は賦活しないということがわかった。島皮質が活動するのは切り替えを促すような情報の入力時であり、その重要度により活動に変化が見られることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の継続のため、脳波実験の実施が不可能であった。脳波測定は、70数個の電極がついた電極帽子の装着に最低1時間を要し、また顔周辺にも電極を貼るため、被験者にはマスクをはずしてもらう必要がある。実験者と被験者は、同じ空間で長時間過ごすことになり、ノイズの混入の防止のためには換気を考えてドアを開けての実験の実施は困難COVID-19の感染防止対策が難しく、脳波実験の実施は諦め、fMRI実験を実施し、十分なデータ数を得られたためfMRI実験を完了した。コロナ禍も落ち着いてきたので、令和5年度に脳波実験を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
脳波測定のための課題設定や刺激呈示装置の作成は完成している。消耗品等も前年度に揃えてある。実験協力者もある程度の数は確保してあるので、これから速やかに脳波実験を行う。実験時は密にならざるを得ないが、、換気に気をつけて、脳波実験を進めていく。時間が限られているため、電極キャップを購入し、1日に2実験を行える体制を整えた。測定データの分析のために、PCも買い替えてある。年度末までにできる限りの脳波データの測定数を増やす予定である。
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