研究課題/領域番号 |
20K03498
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
大河内 浩人 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80223775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 相互強化 / 強化機能 / 交代強化 / 反応-強化子依存性 / 反応-強化子近接性 / ハト / 反応ー強化子依存性 / 消去抵抗 / 反応-強化子間隔 / 反応ー強化子間隔 |
研究開始時の研究の概要 |
「一方の個体の反応が、もう一方の個体の強化子を生み出す」という関係が2個体間で相互に成立する随伴性を相互強化という。ごく最近まで、相互強化が実際に強化として機能するかどうかは明らかにされていなかったが、2019年に、研究代表者たちが、相互強化は消去抵抗を高めることを見出した。本研究は、相互強化における反応と強化子との依存性と近接性を組織的に操作し、これらの変数が相互強化による反応持続に及ぼす影響を解明する。
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研究実績の概要 |
一方の個体の反応がもう一方の個体に強化子をもたらすという関係が2個体間で相互に成立する随伴性を相互強化という。令和4年度に引き続き、令和5年度は、この相互強化にどのような条件を加えれば反応が維持されるようになるかを検討した。6羽のハトを2羽1組(ペア)にし、1つのペアの1羽を1つの実験箱、もう1羽をもう1つの実験箱に入れて実験を行った。連続強化で安定したキイつつき反応が生じた後、相互強化に、反応依存強化、即時強化、交代強化の3つの随伴性を加えた条件に移行した。具体的には、(a) 毎セッション、どちらの個体が先に強化子が与えられるかをランダムに決定した。(b) 最初に強化子が与えられることになったハト(仮にこれをハトAと呼ぶ)は、もう一方のハト(ハトB)がキイを1回以上つついた後にキイを1回つついたら自分(ハトA)にエサ(強化子)が呈示された。(c) 次は、ハトAが反応した後にハトBが反応すれば、ハトBは強化された。(d) ハトAが40強化を得る(その時点でハトBは39強化を得ている)か、1時間が経過するまで、(b)と(c)を交互に繰り返した。この条件(反応依存即時交代相互強化条件)で反応が維持されることが確認された後、反応依存強化、即時強化、交代強化の3つの随伴性を取り除き、相互強化随伴性だけを呈示したところ(相互強化条件)、反応率が減少した。このように、相互強化条件よりも反応依存即時交代相互強化条件の方が反応率が高いことは、これら2つの条件を再び呈示しても再現された。この結果は、相互強化に反応依存強化、即時強化、交代強化の3つの随伴性を加えると、反応が維持されたことを示唆している。加えて、相互強化条件から反応依存即時交代相互強化条件にかけての反応率の変化から、後者の条件が反応率を維持するだけでなく増加させる可能性があることもうかがわれた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験を行った。反応が維持されたという結果は、予想通りであった。反応依存即時交代相互強化が反応率を高める可能性もあることに気づくことができたのは、予想外の収穫であった。
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今後の研究の推進方策 |
連続強化で安定したキイつつき反応が生じた後、消去に移行し、反応率がほぼゼロになるまで減少したのち、反応依存即時交代相互強化を呈示することで、反応依存即時交代相互強化が反応率を高めるかどうかを検討する。
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