研究課題/領域番号 |
20K03510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
毛利 出 静岡大学, 理学部, 教授 (50436903)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 非可換代数幾何学 / AS-regular algebra / Clifford algebra / 環論 / 非可換射影空間 / 非可換射影曲面 / 非可換超曲面 |
研究開始時の研究の概要 |
代数幾何学では代数学的研究対象である多項式からなる連立方程式と、幾何学的研究対象であるユークリッド空間内の幾何との関係を研究しますが、非可換代数幾何学では非可換方程式に対応する非可換な幾何を定義し、研究しています。本研究課題では特に非可換な曲面の研究・解析を行っています。
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研究実績の概要 |
非可換代数幾何学という研究分野は1990年代に始まった大変新しい数学の分野で、現在欧米を中心に活発に研究されています。代数幾何学における重要な研究課題の一つは低次元代数多様体を分類することです。同様に非可換代数幾何学においても低次元非可換代数多様体を分類することが研究分野創設当初からの最重要課題となっています。実際非可換代数幾何学は非可換射影平面の斉次座標環であるところの3次元AS-regular代数の分類問題に始まったといってよいでしょう。その後非可換射影曲線の分類は完成されましたので、次なる目標は高次元非可換射影空間や非可換射影曲面を分類することです。令和5年度の主な研究業績は次の通りです。 1. 東京理科大学の板場綾子氏との非可換射影平面の中心に関する共著論文がCanad. Math. Bull. に出版された。 2. 令和4年度に本学で博士課程を取得し、現在University of Science and Technology of ChinaのPDであるHu君と共同研究を行い、(可換)多項式環の剰余環としてあらわされる2次完全交叉とClifford量子多項式環の剰余環としてあらわされる非可換2次完全交叉との間に1対1対応が存在することを証明し、それらの研究成果を論文にまとめて学術誌に投稿した。 3. アメリカ西ワシントン大学のAdam Nyman氏と共同研究を行い、AS-regular Z代数を斉次座標環とする非可換射影空間の圏論的特徴づけに成功し、その研究成果を論文にまとめて学術誌に投稿した。 4. 令和4年度に本学で博士号を取得し、現在東京理科大学のPDである松野君と、本学修士課程の学生である齋藤君との共同研究として、3次元3次AS正則代数の研究・分類という長期的な研究課題に取り組んでいるが、その部分的解決について第55回環論および表現論シンポジウムで研究発表を行った。また報告集にその研究成果についての記事が掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進捗状況自体は順調といえます。令和4年度に海外の研究集会2件から招待講演を受けていたにも関わらず、コロナ禍の影響で参加を見送りました。令和5年には国外1件・国内1件の研究集会で研究成果を発表することができたものの、国際的評価を得るためには研究成果の発表を引き続き行う必要があります。
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今後の研究の推進方策 |
1. 東京大学の植田一石氏と大阪大学の大川新之介氏と共同研究を行い、射影直線上の非可換線織曲面として定義される非可換Hirzebruch曲面に関する研究を行ってきたが、その多岐にわたる研究成果を整理し、論文にまとめて学術誌に投稿します。 2. 東京理科大学のPDである松野君と、令和6年度に本学博士課程の学生となる齋藤君との共同研究として、引き続き3次元3次AS正則代数の研究・分類に取り組みます。 3. University of Science and Technology of ChinaのPDであるHu君と、令和6年度に本学博士課程の学生となる竹田君との共同研究として、非可換射影2次曲線の研究・分類に取り組みます。
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