研究課題/領域番号 |
20K03522
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
渡辺 敬一 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (10087083)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 正規特異点 / 特異点解消 / 整閉イデアル / 還元数 / Gorenstein 環 / Hilbert-Kunz 重複度 / 楕円型特異点 / 数値半群 / elliptic singularity / reduction numbers / Hilbert-Kubz 重複度 / F-signature / Inverse polynomial / integrally closed ideal / normal Hilbert function / normal Rees algebra / elliptic ideal / numerical semigroup / inverse polynomial / normal reduction number / Girenstein 環 / 半群環 / Commutative Ring / Ideal Theory / 特異点の解消 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究で,特異点は代数多様体に現れるものを考える.特異点は,その点での関数のなす局所環で記述される.特異点の「悪さ」はその局所環に含まれるイデアルの性質で記述される事が多い.イデアルは特異点解消の空間で,例外曲線の「サイクル」で表現される.本研究の第1の目的は,特に2次元の正規特異点において,与えられた特異点に対してどのようなイデアルが存在するか.それらの性質がどのくらい特異点の性質に依存するかを記述する方法を確立する事である. また第2の目的は正標数での特有の性質を用いて「良い」特異点を記述し,また渡辺が提唱した,F-閾値を用いてイデアルの重複度の上限を与える予想を証明する事である.
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研究成果の概要 |
2次元正規特異点の整閉イデアルに関し.渡辺は奥間智弘山形大教授,吉田健一日本大学教授と共に,以前,「Pg イデアル」の概念を提唱し,有理特異点が「すべての整閉イデアルが Pg イデアルである」という性質で特徴づけられる事を示した.今回は 奥間,吉田教授と,Grnova 大学の Evelina Rossi 教授との共同研究で,pg イデアルに次ぐ「良い」イデアルとして「楕円イデアル」の概念を導入した.これにより,楕円型特異点のイデアル論が特徴づけられた.また,整閉イデアルの,正規還元数が異なる例を初めて発見した. また正標数の特異点論に於いてはHilbert=Kunz 重複度の新たな上限を与えた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
可換環論は代数幾何学と深く結びついている,可換環論の最も重要な対象であるイデアルに対して,その環論的性質を幾何学的に解析する事は今まで行われて来なかった.本研究は,2次元の正規特異点に対して幾何学的な情報を用いて,環論的性質を導くもので,大変独自性が高い.実際,今まで知られていなかった,正規還元数を持つイデアルを幾何学的情報によって発見でき,またその代数的な表現を与えた事は大変大きな成果であった. また,正標数の可換環論の手法を用いて,幾何学的な性質を与える事は将来幾何学的な情報をコンピューターで計算を可能にするために役に立つ可能性を持っている.
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