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新しい積分表示による広いクラスの多重ゼータ値の関係式

研究課題

研究課題/領域番号 20K03523
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分11010:代数学関連
研究機関大阪工業大学

研究代表者

鎌野 健  大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 准教授 (50409611)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード多重ゼータ / 多重ゼータ値
研究開始時の研究の概要

多重ゼータ値とは,ある無限級数で定義される実数値であり,積分による表示も同時に持つことから興味深い代数的構造がある対象物である.本研究では,多重ゼータ値の積分表示を拡張した新しい積分(山本積分)で表される広いクラスの多重ゼータ値に着目し,それらの関係式を統一的に見られる一般的な理論を作る.また,それら広いクラスの多重ゼータ値を古典的な多重ゼータ値で表すことにより,古典的な多重ゼータ値の新しい関係式を求める.これらの研究における手法は,積分の変数変換など解析的な手法を用いる.

研究実績の概要

通常の多重ゼータ値とlevel 2の多重ゼータ値をパラメータを用いて補間するようなゼータ値が考えられている.研究代表者は前年度(2022年度)において,多重対数関数で同様の補間を考え,通常の多重ベルヌーイ数とlevel 2の多重ベルヌーイ数の補間を導入した.この新たなベルヌーイ数はある多項式で表現でき,既存のものと似た漸化式を満たすことが確認できている.しかし,この研究で利用した多重対数関数はランデンの接続公式が綺麗な形で成り立たたず,これは十分な一般化がなされていないことが原因と考えられる.そこで本年度(2023年度)は接続公式が成り立つ背景を丁寧に見ることで,ランデンの接続公式をうまく拡張できるような多重対数関数の構成を試みた.その結果,一次分数変換を用いて拡張した多重対数関数を導入することで,この多重対数関数のランデンの接続公式に対応する関係式が証明できた.本結果は多くの関係式を含んでいるが,例えば通常の多重ゼータ値と多重ゼータスター値を補間するt多重ゼータ値の接続公式は本結果から直ちに得ることができる.この多重対数関数は,通常のものを広く一般化したものと考えられ,直接的ではないが実施を予定していた研究に付随するものである. またこの多重対数関数に対応する多重ベルヌーイ数も定義し,スター版の多重ベルヌーイ数が満たす双対関係式の一般化も得た.一次分数変換の係数をパラメータととらえることで,ランデンの接続公式や多重ベルヌーイ数の双対関係式が成り立つ背景がかなり解明できたことは大きな前進といえる.本研究結果は,論文にまとめ,現在専門雑誌に投稿中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度(2023年度)は一次分数変換を用いて多重対数関数を拡張したものを考え,そのランデンの接続公式の拡張を得た.この研究は,付随する新たな多重ベルヌーイ数について,双対関係式などの既存の関係式を拡張でき,興味深いものと考えている.ただし本来行う予定であった積分範囲が1次元でないような型の多重ゼータ値とは異なるものであるため,これについては今後研究を進めていくべきである.

今後の研究の推進方策

多重ゼータ値については,近年多重対数関数における積分表示の離散化など,これまで知られていなかった研究手法のバリエーションがどんどん増えてきている.本研究の一次分数変換を用いた多重対数関数の拡張は,ある程度素性のよいクラスの多重対数関数である.2024年度は,これに新たな研究手法を適用していくとともに,予定していた積分範囲が1次元的でない場合の多重ゼータ値に関しての研究に着手する.またこの研究で得られた関係式により,対応する多重ベルヌーイ数に対応する結果があると思われる.それを定式化し,まとめた結果の査読論文掲載を目指す.

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Poly-Bernoulli numbers with one parameter and their generating functions2023

    • 著者名/発表者名
      Ken Kamano
    • 雑誌名

      Commentarii Mathematici Universitatis Sancti Pauli

      巻: 未定

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analytic properties of Ohno function2021

    • 著者名/発表者名
      Kamano Ken、Onozuka Tomokazu
    • 雑誌名

      MATHEMATICA SCANDINAVICA

      巻: 127 号: 3 ページ: 600-616

    • DOI

      10.7146/math.scand.a-128520

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analytic properties of Ohno function2021

    • 著者名/発表者名
      Ken Kamano and Tomokazu Onozuka
    • 雑誌名

      MATHEMATICA SCANDINAVICA

      巻: - 号: 2 ページ: 320-320

    • DOI

      10.7146/math.scand.a-107649

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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