研究課題/領域番号 |
20K03528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
秋山 茂樹 筑波大学, 数理物質系, 教授 (60212445)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Markoff-Lagrange スペクトル / Pisot 数 / スツルム語 / 無理回転 / 準周期タイリング / 等差数列 / Salem数 / 離散回転 / 自己誘導構造 / ディオファントス近似 / 置換規則 / タイリング / Markoff Lagrange スペクトル / 自己相似性 / 準周期秩序 / 一様分布 |
研究開始時の研究の概要 |
Markoff-Lagrange スペクトルの理論ではディオファントス近似がバランス語、スツルム語という語の組み合わせ理論との深い関係が知られている。金子との共同で等比級数の場合での著しい類似を見出すことに成功した。この仕組みを金子、D.H.Kim らと詳しく調べる。フェルマ螺旋上を等角で進む点集合がタイル張りを生ずるDelone 集合(相対稠密かつ一様離散な集合)となることと回転角が難近似数であることは必要十分である。この一般化、高次元化は様々なDiophantus 近似の問題と関連し研究者の関心を集めている。A.Haynes, J.Marklof らとの共同研究を進める。
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研究実績の概要 |
金子元氏とともに Markoff-Lagrange スペクトルの乗法的な類似をPisot 数を底とする場合に研究した。この研究は特殊な記号力学系上に定まる関数の最適化問題に翻訳され、とくに禁止語が徐々に減り初めて非周期無限語が生ずるような臨界点の研究が重要となる。数論と記号力学系の間を繋ぐ公式が非常に重要な役割を果たす。釜江氏、金子氏とともにこの発展として一般の指数的に増大する線形回帰数列を扱う研究を行い。Pisot 数に限らない枠組みを作ることに成功した。 関連してスツルム語とバランス語が臨界点の記述に現れる。スツルム語は無理回転のコードとして現れる無限語で、複雑度最小の非周期無限語としても特徴づけられる。この間の研究により Markoff-Lagrange スペクトルの研究を通じてバランス語の数え上げと数論の関係も明らかになってきた。バランス語のパラメータの存在する区間を指定したときの長さの増大に関する漸近挙動もわかり、さらに Riemann 予想とのつながりも見えてきた。スツルム語は語の組み合わせ論で基本的であるが、このような数論的な文脈での研究は少ない。筑波大の博士課程の Wen Fan 氏、浜田忠久氏とこれらの発展に関する研究を進めた。関連して金子氏とともに、円分多項式の数論的な問題を解くことができた。 B.Loridant, J.Thuswaldner との共同で連続整数digit でできるタイルの位相構造、とくに切断点の存在に関する特徴付けを行った。さらに永井氏、J.Y.Lee との共同研究では、自己相似タイル張りのパターンにたいして等差的な構造がいかに現れるかを組織的に研究した。 H.Hachem 氏との共同でSalem 数によるベータ展開に対応する記号力学系が sofic になる条件に関して調べた。この研究は離散回転の軌道とも関連していることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Markoff-Lagrange スペクトルの問題では一般の枠組みに拡張がなされて大きな進展を得た。さらに関連するスツルム語の数え上げの研究なども進んだ。Salem 数のベータ展開の問題が離散回転の問題と結びつき面白い発展をみせた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナも収束に向かっており、この期間にできなかった研究成果発表と国際交流、共同研究を積極的に進める。
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