• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

簡約代数群とその被覆群のエンドスコピーの研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K03534
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分11010:代数学関連
研究機関京都大学

研究代表者

平賀 郁  京都大学, 理学研究科, 講師 (10260605)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワードエンドスコピー / 簡約代数群の被覆群 / 簡約代数群
研究開始時の研究の概要

20世紀前半の整数論における最大の成果のひとつが類体論であり, 現在ではその一般化としてラングランズ予想と呼ばれるものが研究されている. このラングランズ予想において重要な役割を果たすものがエンドスコピーであり, 古典群の場合を中心に近年目覚ましい成果が得られてきている.
一方で, 古典群にはその被覆群が存在しており整数論の重要な研究対象であるが, 被覆群のエンドスコピーについては未だ分からないことが多い.
本研究はこの場合を主に研究しエンドスコピーについての理解を進歩させることを目標とする.

研究実績の概要

現在、分裂していない簡約代数群の被覆群のエンドスコピーについては、一般にはエンドスコピーの理論が存在するかどうかも分かっていない。そのため、本研究では簡単な群の場合から研究を行うこととし、令和4年度までの研究に続けて令和5年度も GL(2) の内部形式である四元数体の乗法群の偶数次の被覆群のエンドスコピーについて研究を行った。
令和4年度までの研究代表者の研究により、定義体の剰余標数 p が奇素数で1の4乗根を含んでいる場合には、エンドスコピー群から四元数体の乗法群の偶数次の被覆群への表現の持ち上げが存在することが示されていた。
令和5年度には、この結果を用いて、基礎体が1の4乗根を含んでいる場合に、2 の上にある素点に条件をつけた状況でエンドスコピー群から四元数体の乗法群への大域的な保形表現の持ち上げが存在することを示した。
現在のところは、剰余標数が 2 の場合の局所的なエンドスコピーの研究がすすんでいないので、条件つきではあるが、大域的なエンドスコピー的持ち上げが、四元数体の乗法群の偶数次の被覆群に対しても存在することが示されたことは、被覆群に対してもエンドスコピーの理論が存在することを強く示唆するものである。
また、この大域的なエンドスコピー的持ち上げは、研究代表者の令和4年度までの研究によってその存在が示された局所的な表現の持ち上げと整合しており、この局所的な表現の持ち上げが、エンドスコピーとして正当なものであることを強く示唆する結果にもなっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究代表者は、これまでも四元数体の乗法群の偶数次の被覆群のエンドスコピーについて研究を行ってきたが、この場合はこれまで研究されてきたことがほとんど無かったこともあり、研究がなかなか進まない状況であった。特に、エンドスコピーの理論において重要な移送因子の定義に関わるところに難点があり、ここの研究を進展させることが課題となっていた。しかし、本研究課題の遂行の前に、研究代表者は問題を特別な被覆群の構造に帰着させることができることを見出し、この特別な被覆群の構造の解明を本研究課題の最初の目標とした。
本研究においては、令和4年度までの3年間に、局所体の剰余標数が奇素数で1の4乗根を含んでいれば、この特別な被覆群が本質的に分裂することを示し、さらに研究をすすめて、エンドスコピー群から四元数体の乗法群の偶数次の被覆群への表現の持ち上げが存在することを示すことができた。
令和5年度は、剰余標数が 2 の場合の研究をすすめようとしたが、なかなか研究が進まなかったため、2 の上にある素点に条件をつけた状況で大域的なエンドスコピーについて研究をおこない、この場合には大域的な表現の持ち上げが存在することを示すことができた。
ただ、令和5年度末の時点では、剰余標数が 2 の場合の研究が完了していないので、遅れていると考えている。

今後の研究の推進方策

本研究では、令和4年度までに、定義体の剰余標数が奇素数で1の4乗根を含んでいる場合に特別な被覆群の構造を決定し, この場合にエンドスコピー群から四元数体の乗法群の偶数次の被覆群への表現の持ち上げが存在することを示すことができたが、令和5年度の研究でも剰余標数が2の場合には特別な被覆群の構造を決定することができていない。そのため令和6年度においても、剰余標数が2の場合に、特別な被覆群の構造を研究することを予定している。
また、剰余標数が2の場合の研究がすすめば、よりエンドスコピーが複雑になると予想される、SL(2)の内部形式である四元数体の乗法群のノルム1の部分群の偶数次の被覆群のエンドスコピーについて研究を行なっていく予定である。この場合の研究は、これまでの四元数体の乗法群の偶数次の被覆群のエンドスコピーに関する研究をもとに進めていく予定である。
一方で、分裂するとは限らない一般の簡約代数群の被覆群のエンドスコピーについて理解するには、他の簡約代数群の被覆群のエンドスコピーについても研究する必要があると思われる。四元数体の乗法群の場合の研究が進展すれば、一般の場合の理解の為に、もうすこし大きな簡約代数群、例えば、n が3以上の GL(n) の内部形式の被覆群のエンドスコピーについて研究を進めていくことも考えている。現在のところは、特に n が3、4、6の場合が興味深いのではないかと期待しているが、研究の進展により、これらの場合のエンドスコピーについての理解が進んでいけば、他の簡約代数群の被覆群についても研究を行うことを考えている。
また、研究の進展状況によっては、これらの群の保形表現と関係した不変量についても研究を行っていくことを考えている。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Endoscopy for covering groups of anisotropic inner forms of GL(2).2023

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Hiraga, Tamotsu Ikeda
    • 学会等名
      保型形式と数論
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi