研究課題/領域番号 |
20K03552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
増岡 彰 筑波大学, 数理物質系, 教授 (50229366)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ホップ代数 / ホップ・ガロア拡大 / トーサー / スーパー・スキーム / スーパー・トーサー / スーパー主束 / スーパー・ピカール-ヴェシオ理論 / スーパー代数群 / ホップ・ガロア理論 / スーパー幾何学 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、物理学におけるスーパー・ストリング理論のインパクトから、数学におけるスーパー幾何学が注目を集めている。その研究が本格的に始められた1970年代から,主に微分幾何学的手法が用いられており、代数(幾何)学的手法の開発は遅れている。本研究はホップ・ガロア拡大という、代数幾何学におけるtorsorの非可換化の理論を、可換と非可換の中間に位置する「スーパー可換」のコンテクストに応用するものである。代数幾何学と非可換ホップ代数の理論の新しい応用が、スーパー微分方程式等の種々の興味深い対象に対して期待できる。
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研究実績の概要 |
スーパー幾何学とは,偶・奇で次数づけられたベクトル空間全体が,所謂スーパー対称性に関して成す対称テンソル圏を足場とする幾何学のことである.その研究が本格的に始められた1970年代から,主に微分幾何学的手法が用いられており,代数(幾何)学的手法の開発は遅れている.近年盛んなスーパー代数群の表現論においては,「個々の対象に関して得られた結果がより一般に成り立つか」という問題がしばしばおきた.それに答えるべく研究代表者は,ホップ代数の手法を用いてスーパー代数群の一般論を展開してきた.本研究は,とくにホップ・ガロア理論をスーパー幾何学に応用しようとするものである.ホップ・ガロア拡大は,代数幾何学におけるトーサーを座標環の言葉に翻訳したものであるが,非可換代数の拡大に対しても意味を持つため,幾何学的不変式論の非可換化として可換および非可換環論の手法を以て研究されてきた.その成果に基づき,「ホップ・ガロア理論が特殊なデサント理論―通常の忠実平坦デサントと異なり,射影的生成素デサントとでも呼ぶべき―である」という信条に達した.それを支えに,当該年度は2つの研究成果を得た.(1)アフィン・スーパー代数群の積分の研究:積分をもつスーパー代数群の特徴づけ.積分を表示する公式.積分を持つスーパー代数群が作用するトーサーの記述など.(共著として Communications in Algebraに発表.)(2)アフィンと限らない,一般のスーパー代数群の研究:ハリシュ-チャンドラ対を用いた記述.Barsotti-Chevalley型定理の証明.スーパー代数群の商がスーパー・スキームであることの証明,またその構造層の記述など.(国際共同研究.共著として Journal of Algebraに発表.)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アフィン代数群の積分、またスーパー・スキームのアフィン代数群の作用による商について、期待通りの結果が得られている。スーパー代数群の商に関しては、アフィンでない場合も含め解明が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者が、スーパー代数群の一般論を整備しようと思ったのは、表現論への応用が動機にあった。スーパー代数群Gの商G/Hに関して応用が大いに期待できる課題として、Serganovaが提唱した「準簡約スーパー代数群Gの極小分裂部分群Hの性質の解明」に取り組む。そのようなHが必ず存在することは、商の考察からわかる。では、それは共役を除き一意的か。また、具体的なGについてそのようなHを見つける効果的な方法はあるか。
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