研究課題/領域番号 |
20K03582
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
入谷 寛 京都大学, 理学研究科, 教授 (20448400)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 量子コホモロジー / ミラー対称性 / 周期 / トロピカル幾何 / グロモフ・ウィッテン不変量 / 同変コホモロジー / フーリエ変換 / ガンマ類 / トーリック軌道体 / ファインマン積分 / ガンマ整構造 |
研究開始時の研究の概要 |
物理の超弦理論に起源をもつミラー対称性と呼ばれる予想がある.この予想では複素多様体に付随する周期と呼ばれる量が,それに双対なシンプレクティック多様体上の擬正則曲線の数え上げと関係する.さらに周期の漸近挙動がシンプレクティック多様体のトポロジー(ガンマ類)によって記述できるとする現象が観察されている.本研究ではトロピカル幾何というアフィン線形な対象を扱う幾何学を用いてこの現象を解明する.
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研究成果の概要 |
超弦理論の予想するミラー対称性の片側(シンプレクティック幾何)において,ガンマ整構造と呼ばれる超越数上定義された構造が現れることが知られている.本研究はガンマ整構造の起源を解明することを目標とし,トロピカル幾何を用いたホッジ理論的ミラー対称性の理解や,ガンマ予想,グロモフ・ウィッテン理論の双有理変換の下での関手性といった問題に取り組んだ.双有理変換の下での量子コホモロジーの変化をリーマン・ヒルベルト問題の解を使って記述する予想を定式化し,また厚東裕紀氏と共同で射影束の量子コホモロジーの分解定理を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子コホモロジーはシンプレクティック多様体の不変量である.通常のコホモロジーと違って連続写像に関する分かりやすい関手性を持たないためその構造を一般に理解するのは困難である.研究代表者により導入された「ガンマ整構造」は量子コホモロジーにある種のトポロジカルな構造を与えるものであって,古典的なコホモロジー理論であるK理論との関係を示唆する.本研究ではリーマン・ヒルベルト問題を通じてガンマ整構造と量子コホモロジーの分解とを結びつけ,また,射影束の場合に実際に量子コホモロジーの分解を構成することに成功した.特に後者はこれまでにないタイプの新しい結果である.
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