研究課題/領域番号 |
20K03586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
山田 拓身 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (40403117)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | リー群 / リー環 / 等質空間 / 可解リー群 / 余コンパクト離散部分群 / 非ケーラー構造 / 不変複素構造 / 旗多様体 / 可解多様体 / 複素構造 / 非退化2次形式 / コンパクト可解多様体 |
研究開始時の研究の概要 |
コンパクトベキ零多様体の場合に高次元の例の構成や複素幾何的構造を研究し、今までに結果を発展させ、それにより一般の複素構造を持つ可解多様体の場合の予想を立てることで研究をおこなう。非ケーラー構造を主として複素幾何学的構造を研究する。例の構成により非ケーラー構造をもつための複素幾何的な必要条件を推察したり、逆に非ケーラー構造をもつための正則ベクトル場やホッジ数による必要条件により、例の構成を効率よくする。
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研究実績の概要 |
ケーラー構造の一般化の一つである局所共形ケーラー構造がある。局所共形ケーラー構造は局所変形することで、ケーラー構造となる。この局所変形の際に用いた局所データを集めることで、局所共形ケーラー多様体上の複素直線束を構成できる。令和4年度は、ベキ零多様体の具体例である小平-サーストン多様体を参考にし、左不変な複素構造を持つ可解多様体上の局所共形ケーラー構造について研究を行った。その結果、可解多様体に局所共形ケーラー構造が入るならば、実ベクトルとしては自明となる複素平坦直線束が存在しなければならないことを示せた。方法の一つとしては古典的な研究結果を調査し、Chevalleyや松島与三氏などの1940年代,50年代の可解リー群の位相構造の研究結果を組み合わせた用いた。また他の方法としては、直線束の話を群の表現論の話に書き換え、群の表現の拡張に関する言い換えを行うことで得られた。一方、令和3年度以降の研究目的の一つである、非ケーラー構造をもつコンパクト複素可解多様体の系列的な例の構成についても、系列的な例の構成が行えた。令和3年度の研究実績として、楕円曲面の場合を参考にし、複数の余コンパクト離散部分群を持つ可解多様体の例の構成を行えたが、令和4年度はベキ零リー群と異なり、可解リー群は剛性定理を持たないことを用いて、複数の余コンパクト離散部分群を持つ可解多様体の例の構成を行えた。つまり、余コンパクト離散部分群を持つことが知られている可解リー群に対し、同じ群を余コンパクト離散部分群にもつ別の可解リー群を構成し、新しく作った可解リー群について、他の余コンパント離散部分群を構成することで、系列的な例の構成が行えた。調査として、位相群の左Haar測度、等質空間の相対不変測度等を行い、令和5年度の研究準備も行えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にある、局所共形ケーラー構造をもつ可解多様体の複素幾何的性質の一つがわかったことと、系統的な可解多様体の例の構成ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は1940年代のChevalleyの結果が研究の推進に役立ったため、出張等で最新の研究成果だけでなく、1940年代、50年代の研究成果も調査することで、研究を推進していく。また令和4年度に調査を進めた局所コンパクト群上の左Haar測度などの調査を続け、継続的な調査による研究推進を行う。
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