研究課題/領域番号 |
20K03588
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
古宇田 悠哉 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (20525167)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 3 次元多様体 / 接触構造 / 多面体 / スパイン / フロー / シャドウ / Goeritz 群 / 3次元多様体 / 4次元多様体 |
研究開始時の研究の概要 |
3 次元・4 次元の任意の可微分多様体は, スパインおよびシャドウとよばれる 2 次元の多面体を用いて組合せ的に表示することが出来る. これらの多面体に分岐構造, すなわちある種の向きを備えることにより接触構造や安定写像の特異点を含む, 多様体上のより精密な構造を調べることが可能になる. 本研究では, 3 次元多様体上の接触構造とその Reeb フローの力学系, 3 次元多様体の幾何構造と安定写像の特異ファイバー, 4 次元多様体の幾何構造について, これら多面体との新たな対応を見出し, その対応に基づく統一的な組合せ手法を用いることで考察を深めることを目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究では,向き付け可能な閉 3 次元多様体上の非特異フロー(のホモトピー類)と,その多様体のフロースパイン(のある種の同値類)との間の対応に着目し,接触構造の Reeb フローを用いることで,接触構造(のイソトピー類)と正フロースパインの間の関係の構築,およびそれに基づく接触構造の諸性質の組み合わせ的記述を目指し,研究を遂行している.本年度は,石井一平氏, 石川昌治氏, 直江央寛氏と共同で,正フロースパインに対して接触構造が一意的に存在することを証明する論文が査読付国際誌に受理され,出版された.また,同共同研究者らと共に,上の研究により得られる正フロースパインの集合から接触構造の集合への写像の全射性,すなわち,各接触構造に対し,対応する正フロースパインすることの証明を論文としてまとめた.これは昨年度目標としていたものであり,次年度に速やかに査読付き国際誌に投稿予定である. 関連する話題として, 3次元多様体のハンドル体分割に関する論文(石原海氏,小川将輝氏,小沢誠氏,阪田直樹氏,下川航也氏らと共同)がProc. R. Soc. A から,絡み目の橋分解の Goeritz 群に関する論文(井口大幹氏と共同)が Pacific J. Math. から,4 次元多様体のシャドウ複雑度に関する論文(Bruno Martelli 氏,直江央寛と共同)が Ann. Fac. Sci. Toulouse Math. (6) から,絡み目の橋分解の Goeritz 群に関する論文(Sangbum Cho 氏,Arim Seo 氏と共同)が J. Topol. Anal. からそれぞれ出版された.その他,Goeritz 群に関する研究内容について国際集会で連続講演を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
接触構造とフロースパインの対応に関する理解を深めることができており,論文 1 編を出版し,さらにもう 1 本を投稿直前の状態まで仕上げることができた.関連する話題として, シャドウの補空間の基本群の明示表示や,シャドウを通じたディバイドと双曲構造の関係の解明,絡み目の橋分解の Goeritz 群の有限性などに関する研究が進展し,得られた成果を論文・会議で多数発信することができた.
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今後の研究の推進方策 |
接触構造とフロースパインの対応に対する理解を深め,Lutz ツイストに対応するフロースパインの変形や,フロースパインを通じた overtwisted disk の検出について考察していく予定である.
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