研究課題/領域番号 |
20K03610
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬場 伸平 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (40822870)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 曲面群の表現 / 双曲幾何学 / 指標多様体 / リーマン面 / homogeneous spaces / holonomy representations / projective structures / hyperbolic geomegry / Riemann surfaces |
研究開始時の研究の概要 |
曲面は実際に可視化しやすく直感的に考えやすい幾何学的対象である。また、その理解を発展させることで、一般な幾何学的対象の発展に欠かせない研究対象である。局所等質構造と呼ばれる、どの点の近くも同じに見える構造を考える。曲面のトポロジーと呼ばれる大まかな形を固定して、その幾何学的な構造の空間を考える。この変形空間はたびたび解析的な構造を持っている。一方、各々の幾何構造はモノドロミー表現と呼ばれる代数的な構造をもっている。これは曲面の基本群からLie郡との表現がある。これらの解析的な構造と代数的な構造の関係性を相互に発展させる研究をおこなう。
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研究実績の概要 |
曲面群と負曲率の幾何に関連した以下に述べる2つの結果を得た。これらを論文にまとめ,プレプリントとしてarXiv上で一般に公開した。また,これらの結果を研究集会などで講演した。 まず3次元の多様体の分類において,双曲多様体を理解することは重要である。3次元のgeometrically finiteな双曲多様体は,理想境界のRiemann面の構造によってパラメラー付されることがよく知られている。これに類似したパラメター付を、双曲多様体のconvex core上のmeasured laminationによりできるという予想が未解決問題であるBonahonとOtalはこの予想の解決向けて,大きな貢献をしている。本年度の研究で大鹿健一氏との共同研究に別の視点から,より位相幾何学的なアプローチを与えた。特により一般のgeometrically infiniteな曲面群に既存の結果を拡張させた。 次にRiemann面上の2次正則微分の空間は、有限次元の複素ベクトル空間をなす。このベクトル空間は,対応する複素射影構造のホロノミーにより,基本群のP S L(2, C)への表現空間,つまりP S L(2,C)指標多様体に真に解析的に埋め込まれている。この像はPoincare Holonomy Variety またはsl(2,C)-operと呼ばれ,双曲幾何学などの関係から重要な複素解析的部分多様体である。私は,このholonomy varieties類似をThurstonによる複素射影構造のパラメター付の観点からP S L(2,C)指標多様体に構成した。また,Thurston のパラメター付は実解析的な部分多様体を与えることから,これの複素化を行った。そのために曲面群のP S L(2,C)の直積への表現のbending変形を導入した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
双曲幾何学と曲面の表現の関係に関して,新たな視点を与える結果を複数得て,論文にまとめることが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
曲面の基本群のLi群への表現,双曲幾何学に関して,新しい観点から理解を一層深める。
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