研究課題/領域番号 |
20K03613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11020:幾何学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
門田 直之 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (60611986)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 写像類群 / 生成系 / Lefschetz fibration / シンプレクティック4次元多様体 |
研究開始時の研究の概要 |
4次元多様体とは, 至る所が4次元空間に見えるようなものである. 本研究ではシンプレクティックとよばれる綺麗な性質をもつ4次元多様体の新しい例の構成や構成法そのものの開発に取り組む.円などの平面図形は数式と対応している. これと同様にシンプレクティックという性質を持つ4次元多様体はある文字列と対応する. この文字列を複雑に変形することで, 上述の研究に取り組む.
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研究実績の概要 |
(向き付け可能閉曲面の)写像類群とは、向き付け可能閉曲面の微分同相写像のアイソトピー類のなす群である。写像類群の元を写像類と呼ぶ。NielsenとThurstonにより向き付け可能閉曲面の写像類は、周期的、既約、擬アノソフの3種類に分類できることが知られている。例えば、写像類群の有名な生成元として知られるDehn twistは既約な写像類である。DehnやLickorishにより写像類群は有限個のDehn twistで生成されることが示された。その後、HumphriesによりDehn twistによる最小の生成系が与えられている。しかし、Wajnrybにより、写像類群の生成系をDehn twistに限らなければ、たった2つの元で生成できることが示された。写像類群は巡回群でないことがわかるため、2元からなる生成系は最小の生成系であることがわかる。また、閉曲面とは限らない向き付け可能な曲面の写像類群に対し、同様の結果がKorkmazや申請者などの多くの研究者によって研究されている。さて、上述で扱われた生成元は、周期的な写像類や可約な写像類であった。今年度、廣瀬進氏との共同研究により、2つの擬アノソフな写像類により写像類群が生成されることを示した。特に、種数が十分大きい時は互いに共役な2元で生成されることや、生成元としていくらでも大きな拡大度を持つものが取れることを示した。MargalitとLanierは共役な擬アノソフな写像類で生成できることを示していたが、その個数には言及していなかった。今回、廣瀬進氏との共同研究により、MargalitとLanierの結果をより精密にした結果を得たことになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要の通り、廣瀬進氏との共同研究により、写像類群の生成系に関する結果を得た。特に、この研究はMargalitとLanierの結果をより精密にしたものである。このことから、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で述べた結果は、向き付け可能閉曲面の写像類群に関するものである。そこで、まずは閉曲面でない向き付け可能な曲面の写像類群に結果を一般化することができるかどうかを考えたい。これに対しては、申請者の向き付け可能曲面の写像類群の最小の生成系に関する結果の手法を用いて調べたい。また、研究実績の概要で述べた結果を得るために考えた手法をLefschetz fibrationに関する研究に活かしたい。
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