• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

幽霊指標の解析によるノットコンタクトホモロジーのトポロジカルな性質の完全解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K03619
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分11020:幾何学関連
研究機関名城大学

研究代表者

長郷 文和  名城大学, 理工学部, 教授 (30513634)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード結び目群 / トレースフリー指標多様体 / ノットコンタクトホモロジー / 2重分岐被覆 / 結び目 / 指標多様体 / 二重分岐被覆 / 理想点
研究開始時の研究の概要

本研究では「ノットコンタクトホモロジーが反映するトポロジカルな性質の完全解明」を試みる.ノットコンタクトホモロジーは,自明な結び目を識別する「unknot detector」という機能をもつ.Unknot detectorは,DNAに働く酵素がもつと考えられる1つの機能であり,DNAなどの形状解析において重要な役割を果たす.しかし,このホモロジーのトポロジカルな性質は未だ解明されていない状況であり,形状解析の精密化の観点からも,この解明が重要であると思われる.本研究では,現在までの研究成果を基に「幽霊指標」とよばれる結び目不変量のトポロジカルな性質に注目することで,上記完全解明につなげたい.

研究実績の概要

本研究は,結び目群のSL(2,C)トレースフリー表現に対し,そのトレースフリー指標多様体の幾何構造を通して,ノットコンタクトホモロジーの位相幾何学的性質の完全解明を目指している.
本研究4年目では,3年目までの研究成果を基に,結び目KのノットコンタクトホモロジーHKと3次元球面の結び目に沿った2重分岐被覆ΣKの指標多様体YKとの同型対応を提案しているNg予想について,別の角度からのアプローチを行うことで,ノットコンタクトホモロジーの位相幾何学的性質の深化を試みた.Ng予想は,一見,結び目Kを変数とする2つの対象の同型対応を提示しているように見えるが,少し視点を変えれば,YKとYK'が同型である場合,例えば,3次元球面のKに沿った2重分岐被覆ΣKと,同じくK'に沿った2重分岐被覆ΣK'が同相になる場合,HKとHK'は同型になるということを提案するものになっている.つまり,ノットコンタクトホモロジーは,3次元球面の2重分岐被覆の不変量になることを主張する.この視点に立ち,3次元球面の2重分岐被覆が同相になるペアについて,ノットコンタクトホモロジーが同型になるかを確かめる研究を遂行した,ここでは,同相な2重分岐被覆を与える結び目として古典的に知られているモンテシーノス結び目とトーラス結び目について,そのトレースフリー指標多様体から,ノットコンタクトホモロジーを計算するという手法を用いた.その結果,ΣKとΣK'は同相だが,ノットコンタクトホモロジーは同型ではないという結び目のペア(K,K')を発見した.これは,Ng予想の別の反例を与えることにもなっている.これらの成果は,東北結び目セミナー2023で講演し,いくつか重要な議論を行うことができた.ただし,本研究は未だ完全解明の最終段階に達していないと判断し,研究期間を延長することで,これらの成果のさらなる深化を試みる予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「研究実績の概要」にも述べたように,本研究4年目では,Ng予想の別の反例を与えることに成功したが,本研究は未だ,ノットコンタクトホモロジーの位相幾何学的性質の完全解明の最終段階には達していないと判断できるため.

今後の研究の推進方策

「研究実績の概要」にも述べたように,本研究4年目では,Ng予想の別の反例を与えることに成功したが,本研究は未だ,ノットコンタクトホモロジーの位相幾何学的性質の完全解明の最終段階には達していない.多様体のトポロジカルな性質を用いたノットコンタクトホモロジーの計算例がほとんどないことが,その判断ができる大きな理由である.もちろん,多様体のある種の幾何構造を用いたノットコンタクトホモロジーの解釈は存在するが,それが,多様体のトポロジーにどのような制約を与えるのか,また逆に,どのような多様体のトポロジーを反映しているのかは,解明されていない状況である.
本研究では,結び目のトレースフリー指標多様体の計算機援用による導出を経由して,ノットコンタクトホモロジーを計算する手法を適用していたが,今後は,結び目や多様体のトポロジカルな性質を用いて,ノットコンタクトホモロジーを計算する手法の開発を試みる,これにより,ノットコンタクトホモロジーの位相幾何学的性質の完全解明に迫りたい.

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] On knots sharing the same abelian knot contact homology2023

    • 著者名/発表者名
      Fumikazu Nagasato
    • 学会等名
      東北結び目セミナー2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The structure of the trace-free (traceless) SL2(C)-character varieties of the knot groups2023

    • 著者名/発表者名
      Fumikazu Nagasato
    • 学会等名
      微分トポロジー’23
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi