研究課題/領域番号 |
20K03633
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
野田 尚廣 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (10596555)
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研究分担者 |
澁谷 一博 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (00569832)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 微分式系の理論 / 微分方程式の接触幾何学 / 偏微分方程式の幾何学 / 微分式系 |
研究開始時の研究の概要 |
二階の偏微分方程式系は、波動方程式(双曲型)、熱方程式(放物型)、ラプラス方程式(楕円型)をはじめとした数理物理学や工学等における様々な現象を記述する重要な数学的概念である。本課題では、主に微分幾何学(微分式系の幾何学理論)における変換構造(接触変換群の方程式系への作用)の立場から、様々な意味で興味深い構造をもつ偏微分方程式系の新たなクラスを見つけることを目的とする。また、具体的に解くことが出来る方程式系を特定し、そこでの求積法を展開することも目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、Monge、Lie、Darboux、Goursat、E. Cartan等による古典的研究に端を発し、RB. Gardner、RL. Bryant、PA. Griffiths、田中昇、山口佳三、森本徹等によるその現代的解釈を通して伝統的に構築されてきた、(外)微分式系の理論ならびに微分方程式系の接触幾何学を基本的な観点として、いまだ不明瞭な事柄が多く、今後の発展性が見込まれる以下の2つの課題に取り組むことにある: (A) 微分方程式系に作用する変換群の制限(摂動)に伴う各種対応関係の解明 (B) 微分方程式系の簡約化理論の進化に伴う(厳密)解の求積論展開 下記の[現在までの進捗状況]欄にも記したように、これまではコロナ渦の影響により、まとまった研究時間が確保できなかったものの、本年度後期に入ったあたりから、徐々に研究活動が再開できるようになった。この期間を利用して、上記課題(A)に関して、研究分担者の澁谷一博氏(広島大学)との共著として仕上がっていたプレプリントをブラッシュアップして、出版までこぎつけることができた。この論文は、多変数一未知関数についての二階のジェット空間上で局所的に定義される接触変換(のなす擬群)を、(局所標準座標系を用いて)明示的に表現した結果について報告したものであり、今後の様々な関連課題において、基本ツールとなることが期待される結果である。 また上記とは別に、関連課題(B)に関して、国内外の関連文献を調べ上げ、自分なりに再考することで、ある種の常微分方程式系に簡約化される偏微分方程式系について、観測を行った。これについてはまだ単発的で、体系的な結果には至っていないため、来年度の課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前期の間は、昨今のコロナウイルス感染症対策(学内における種々の教育方法の実施)に時間をとられたが、後期からはやや落ち着きを取り戻し、少しずつ研究時間を確保することができたのは救いであった。来年度からは、これまでの遅れを挽回すべく、活発に活動していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
来年度はさすがに、研究活動の状況をコロナ前の段階と同水準に戻していきたい。研究遂行に直結する対面での打ち合わせ(出張もしくは勉強会開催など)を、可能な限り行いたいと考えている。やはり対面での議論には、遠隔では得られない収穫があると考えられるからである。
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