研究課題/領域番号 |
20K03641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
竹内 敦司 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (30336755)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ジャンプ型確率過程 / マリアヴァン解析 / 部分積分公式 / リーマン多様体 / 数理ファイナンス / 分布の距離 / 確率解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ジャンプ型確率過程の見本関数は、時刻について右連続でかつ左極限を持っている。本研究では、確率解析の立場からこのようなジャンプ型確率過程に関する部分積分公式を構築し、それを応用して分布の性質について研究する。特に、リーマン多様体の上のジャンプ型確率過程について、リーマン多様体に備わっている幾何学的な情報が、ジャンプ型確率過程の振る舞いや分布にどのように影響を与えるのかということについて、確率解析の立場からの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
研究期間の4年目である2023年度は、拡散項の係数がヘルダー連続であるような確率微分方程式に関する研究を精力的に進めてきた。このような方程式は数理ファイナンスの中では自然に登場し、非常に有名なBlack-Scholesモデル、金利モデルの典型例の一つであるCox-Ingersoll-Rossモデル、さらに定弾性分散モデルなどがその典型例として挙げられる。このような確率微分方程式について、方程式の出発点、拡散項の係数内のヘルダー連続性を記述する指数、さらに時刻に関して、モーメント評価を経由する形で連続性を詳細に調べた。さらに確率微分方程式の解が入った形での期待値の計算に関して、それぞれのパラメータに関する収束性について検討した。その収束の速さの中にもヘルダー連続性を記述する指数の影響が登場し、非常に興味深い結果となっている。現在、研究結果の取りまとめ作業を行っており、作業が完了し次第、学術雑誌に投稿を予定している。
2023年度の後半あたりからは、神経モデルに関係したジャンプ型確率微分方程式について、部分積分公式を経由して、密度関数の性質を調べることができないかどうかを、確率解析の立場から研究を進めている。さらに、リーマン多様体上でのジャンプ型確率過程について、ジャンプ部分をブラウン運動を用いて近似し、ウィーナー空間上でのマリアヴァン解析を活用することによって、密度関数の性質について研究してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マリアヴァン解析を含んだ確率解析の立場から、いろいろなトピックスに関する研究に取り組み、思い描いていたような形での研究結果は順調に得られてきている。新型コロナウィルスの影響により、やや遅れ気味になっていた進捗状況はかなり改善されてきたように思われる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の後半あたりから精力的に取り組んでいる、神経モデルに関連したジャンプ型確率過程について、マリアヴァン解析の立場から研究を進めることを考えている。ジャンプ型確率過程に対するマリアヴァン解析は、考察の目的に応じていくつかの方法が知られている。ただし、現在取り扱っているモデルについては、これまでとは少し異なった設定になっているため、別のアプローチを模索しなければならないと考えている。この問題について、重点的に考えてゆきたい。 また、リーマン多様体上のジャンプ型確率過程について、マリアヴァン解析の立場から、より詳細な密度関数の性質を調べてゆきたい。特に幾何学的な情報が密度関数の性質の中で、どのような役割を果たしているのかを、積極的な立場から明らかにしてゆきたいと考えている。
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