研究課題/領域番号 |
20K03644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大坂 博幸 立命館大学, 理工学部, 教授 (00244286)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | C*-環 / ロホリン性 / Althuge 変換 / 量子エンタングルメント / ordered zero 完全正値写像 / 作用素単調関数 / C*-algebras / stable rank one / real rank zero / order zero C.P. maps / norm attaining operators / Interpolation functions / symmetric f-divergence / quantum entanglement / *-homomorphisms / approximately inner / symmetrize f-divergence / *-表現の分解 / C*-不変性質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、離散群GからC*-環Aへの作用から生成されるC*-接合積へのAの不変的性質の遺伝性の研究を行い、一般化することである。つまり、与えられたC*-環Aに対して、適当なC*-環Bと*-表現ψ:A→Bを用いて、包含写像ι:A→A_∞を直交性を保全する完全正値写像φ:B→A_∞で局所的近似し、Aのもつ性質を解明し、さらにC*-環の分類問題やフラクタルなどの複雑系に応用することである。
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研究実績の概要 |
令和5年の研究成果は以下のとおりである:1.韓国・蔚山大学のHyun Ho Lee氏と指数が非整数値であるロホリン性を持つC*-包含関係についていくつか例を構成するが群からこない例の構成はできなかった. 群馬大学教授の照屋保氏とinjective II_1 factor フォンノイマン環の包含関係を意識しながらC*-環の非整数値指数を持つ例を構成したが, ロホリン性は期待できないことが予想できた. 2.6月にポーランド・University of Gdanskで開催された国際研究集会で招待講演をし, 7月にはベトナム・Quynhon大学で国際研究集会のオーガナイザーをすると共に講演をオンラインで行う.3.8月に早稲田大学で開催されて国際研究集会ICIM2023で招待講演をおこなう.4.秋学期からNTTのコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員の秋笛清石氏と立命館大学の客員研究員である宮崎慈生氏とエンタングルメントの解析を行い, 電子情報通信学会でポスターセッションを行った. 5.8月21日からインド・IIT Hyderabad校からポスドクとしてShanola Smitha Sequeira氏を3か月立命館大学へ招聘し, 東洋大学教授の山崎丈明氏とともに共同研究をする. また, Ramesh Golla氏, Shanola Smitha Sequeira氏とヒルベルト空間上の不変部分空間に関する共同研究を行い論文としてまとめることができた. 現在数学専門誌に投稿中である. 6.11月には京大数理解析研究所の国際研究集会で招待講演をする. 7.2024年3月には日本数学会年会で一般講演を二つ行った.8.数学雑誌にIITHyderabad校のRamesh Golla氏, 東洋大学教授の山崎丈明氏, 鳴門教育大学講師の宇田川陽一氏との共著論文2本が発表された.また, 数学雑誌Annals Funct. Annalにおいて,the 2024-Best Paper AOFA Award WinnerにGolla Ramesh氏との共著論文が選出された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度国際交流はおおむね問題なくでき、インドからShanola Smitha Sequeira氏をポスドクとして招聘し, 東洋大学教授の山崎丈明氏とのAluthge変換による力学系の研究を遂行することができた. また, 9月にはUniversity of Gdansk教授のMarcin Marciniak氏を招聘し, 量子情報エンタングルメントの探索について集中講義をして頂いたり, 同大学のポスドクであるMichal Banacki氏を招聘し, Tsierlson問題について議論を行い数学サイドからの反例構成について意見交換を行うことができた. 国内出張は群馬大学の照屋保氏とのロホリン性を持つC*-環の包含関係の研究について定期的に遂行することができた。これらを通してC*-環の普遍的性質の遺伝性について少しづつ明らかになってきている。
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今後の研究の推進方策 |
海外出張はコロナ禍前の状況に戻ったようで, 5月にパリで開催されるSIAM ILAS2024に参加し招待講演を行い, 6月には昨年度オンラインで参加をしたベトナム・フエ大学において開催されるICMAA2024に対面で参加をする. 9月には, ハンガリー・セゲ大学のLajos Molnar氏からの招待で10日間ほど滞在し作用素平均について議論を行う予定である. 2025年2月にはポーランド・Uniersity of GdanskのMarcin Marciniak氏からの招待を受け, 量子情報理論の量子エンタングルメントの探索について議論を行い, 3月には, アメリカ・トロイ大学のTrung Hoa Dinh氏を訪門し, 量子情報理論におけるf-divergenceについて議論を行う予定である. 国内においては、群馬大学教授の照屋保氏および東洋大学教授の山崎丈明氏と立命館大学東京キャンパスにおいて定期的にセミナーを行う。また、日本数学会の定期総会や 京都大学数理解析研究所の研究会等で講演をする。 さらに、研究を活性化するため、国内外の若手を短期間立命館大学に招聘をする。
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