研究課題/領域番号 |
20K03659
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中野 史彦 東北大学, 理学研究科, 教授 (10291246)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 準位統計 / ランダムシュレーディンガー作用素 / クロック過程 / アンダーソン局在 / 減衰ランダムポテンシャル / 減衰ポテンシャル / 指数ブラウン運動 / 一般化リフルシャッフル / 行列式過程 / ランダム行列 |
研究開始時の研究の概要 |
具体的にはランダムシュレーディンガー作用素、ランダム行列、拡散過程それぞれの手法を組み合わせて次の3つの課題に取り組む。 (1)ランダムシュレーディンガー作用素の固有関数の漸近形:固有値と固有関数のなすランダム測度のスケーリング極限 (2)ランダム行列の高温極限:ランダム行列において、行列サイズと温度パラメータを同時に無限大にする極限での固有値・固有ベクトルの挙動 (3)スペクトル端近傍での準位統計:ランダムシュレーディンガー作用素の0エネルギー近傍での固有値・固有関数の漸近分布
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研究実績の概要 |
(1) Random Dimer Model の準位統計:ランダムダイマーモデルでは、臨界エネルギーにおいてリアプノフ指数が0になる。そのエネルギーにおける準位統計がクロック過程になることを示した。Peter Hislop(Lexington), Xiaolin Zeng (Strasbourg)との共同研究。 (2) d次元ランダムシュレーディンガー作用素において、ポテンシャルが原点からの距離のアルファ乗で減衰しているとする。アルファがある臨界値を超えると本質的スペクトルは自由ハミルトニアンのそれと一致することを示し、そのときの最大固有値の存在確率の漸近挙動を求めた。一方でアルファが臨界値より小さいときは本質的スペクトルは実軸全体と一致し、自由ハミルトニアンのスペクトルの補集合上ではアンダーソン局在することを示した。このときは大きな固有値をスケーリングして得られる点過程はポアソン過程に収束する。川合海翔、丸山祐虎(東北大)との共同研究。 (3) 1次元アンダーソンモデルでの中心極限定理の証明と、減衰ポテンシャルを持つ系での知られた結果との比較を行なった。ホッピングがランダム性を持つ場合も、Popescuの手法の改良により中心極限定理を証明できる。また、ガウシアンベータアンサンブルの経験分布の中心極限定理の別証明をPopescuのモーメント法を用いて与えた。石川雅雄(岡山大)、増子拓士、丸井憂真、丸山直紀(東北大)との共同研究。 (4) 準古典近似を用いた輸送理論:ランダムシュレーディンガー作用素において輸送係数を準古典近似を用いて計算する研究に着手し、まずリュービル作用素を用いた問題の定式化を行なった。Max Lein, Stefan Junk(東北大)との共同研究。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
減衰ポテンシャルを持つ1次元ランダムシュレーディンガー作用素において、固有値・固有関数のスケール極限を持つ研究はある程度完成した。フランスでの研究集会で様々な研究者と討論により、研究対象を広げて、現在は様々なランダムシュレーディンガー作用素の準位統計を考え、スペクトルやアンダーソン局在との関係を調べることと、ランダム行列モデルをランダムシュレーディンガー作用素の手法を用いて研究することを行なっている。
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今後の研究の推進方策 |
(1) ランダムダイマーモデルの準位統計(続き):臨界エネルギー以外での準位統計を考え、そのポアソン過程への収束を示す。ポテンシャルの分布が特異であるため、困難が予想される。 (2) ランダムホッピングモデル、ランダムバンドモデルにおける準位統計を考える。前者は(1) の延長線上にあり、後者はその経験分布の収束をより強い意味で収束することが鍵になる。 (3) 準古典近似を用いた輸送理論:輸送理論の枠組みを準古典近似を用いた描像を用いて定式化し、電気伝導度を表す公式を得る。
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