研究課題/領域番号 |
20K03666
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
赤堀 次郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (50309100)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 弱い微分 / 停止された拡散過程 / ジャンプ / 密度関数 / ジャンプ型確率過程 / 漸近展開 / シミュレーション / 拡散過程 / 安定過程 / 最大 / ジャンプ型確率微分方程式 / 停止時間 / 微分 / 安定過程の最大 / 拡散課程 / 無限次元解析 / 部分積分公式 / 反射付き確率微分方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
拡散課程は自然現象の中でよくあらわれる時間と共に変化する確率過程である。本研究では特に領域内で存在する確率過程について研究を行う予定である。たとえば、領域の境界についたときに確率過程が止まる場合であればその停止時間が大事な概念であり、その停止時間の分布の性質について研究を行う。また、停止された確率過程の微分に関して領域の境界で反射する確率過程の関係について詳しく調べる。また、部分積分公式と呼ばれる公式が得られることを目的とする。この公式により分布グラフの形について様々な性質を調べられる源になる。また、Skewブラウン運動と呼ばれる確率過程についても検討し、具体的な応用例も検討する。
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研究実績の概要 |
停止された拡散過程の弱い微分が存在することが証明できて、その拡張として半空間の拡張についても検討した。この2つのテーマが繋がっているが簡単な拡張ではないことが理解できた。1次元の場合では微分過程は連続であり、多次元の場合ではジャンプも現れることもある。そのジャンプの頻度は反射過程の逆Local timeによるものである。このような構造は多次元の特徴である。この一年間はいろんな共同研究者と議論できたのでこれから結果をまとめる方針である。 ジャンプ型確率過程の密度関数に関しての研究成果として次の2つの結果が出版された:1.ジャンプ型確率微分方程式の密度関数の存在となめらかさについて;従来の解析方法は無限次元解析であったがこの論文で小さなジャンプの頻度が無限である場合を考える(例えば安定過程の場合)。この設定では中心極限の概念により小さなジャンプの代わりにブラウン運動が利用できることがシミュレーション分野ではよく知られている。今回、この方法とパラメトリックス方法とinterpolation方法を組み合わせて結果が得られた。このような解析は従来の方法と異なるため他の問題でも適応できる可能性がある。2.この意味では安定過程の最大の密度関数に関しての解析を行った。安定過程のシミュレーション方法としてconvex majorants 方法とChambers-Mallows-Stuck方法の組み合わせで解析方法を構築できた。1.と比較すると密度関数のなめらかさと共に上からの評価が得られた。この評価は最適に近い評価であるため、解析方法が適切であることが期待できる。3.Wedgeでの反射付きのブラウン運動のシミュレーション方法を構築し、反射付き確率微分方程式の適応ができた。また、その方法の解析的な性質を述べ、証明をつけられた。これからこれを利用し、密度関数の解析に使えるかどうか検討したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究を進めるためにいくつかの共同研究プロジェクトとして設定している。長い間共同研究者の移動制限があったので会えなかった。この一年間はできるだけ訪問するように努力したが時間の制限により一年間では時間が足りなかった。
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今後の研究の推進方策 |
この一年間はいろんな共同研究者の訪問があった。また、意見交換のためにいろんな研究会に参加し、研究成果に関して議論を行ったのでこれから論文としてまとめ、Journalに提出する予定である。特に部分積分公式に関していくつかの結果がすでに得られている。これから論文としてまとめ、国際Journalで出版するように努力する。この一年間は多次元の半空間の設定では停止された拡散過程の微分が定義できたと共に部分積分公式が得られた。従来の部分積分公式と比較すると出発点が境界に近くなっても利用できる。つまり、従来方法では出発点は境界にあると利用できなかった。その次に一般のなめらかで有界な領域の場合でも問題が解決できるのではないかと考え現在共同研究プロジェクトとして続けている。ただし、この場合では半空間と大分異なり、幾何学の技術を追加すべきである。幾何学ではチャートという概念を利用し解析を行うが停止された拡散過程を考えるときには気をつけないといけない点がいくつかある。1.チャートごとに半区間の理論が利用できるが拡散過程の軌道無限回をチャート変更する可能性があると解析が非常に複雑になるためそのようなことが起こらないように近似過程を構築する必要がある(証明方法は近似過程を利用するため)。2.証明方法では測度変換を利用している。半区間で行うとその測度変換はチャートに依存し、近似の極限が取れなくなる。 この2つの問題を解決すべきであり、半区間の場合での証明では現れない問題である。最後にWedgeの場合でも微分過程の定義はどのようなものになるのか興味深いテーマであるが今回は時間がないかもしれないが将来的に取り組みたい問題である。
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