研究課題/領域番号 |
20K03675
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大塚 浩史 金沢大学, 数物科学系, 教授 (20342470)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 線形応答 / 点渦系 / 平均場 / 非線形楕円型方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
多数の粒子がなす系の変化を考察する場合、粒子が連続的に分布すると仮定して、粒子の分布関数の変化を考察することが多い。本課題は、そのような考察が本当に可能かどうかを研究する。整数と実数の差のように、離散的な存在と連続的な存在には差があると感じられる。大気や水に現れる渦の集まり(点渦系)を例に、このような離散と連続の差を考察する。特に、離散的な系(粒子系)と連続的な系(平均場)の双方に力を加えて生じるそれぞれの変化(線形応答)を観察することで、違いの有無を見出すことを試みる。
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研究成果の概要 |
平均場方程式と呼ばれる多粒子系の平衡状態を記述する半線形楕円型偏微分方程式について、その摂動問題及び摂動に関する線形化問題を粒子系の視点から解析した。得られた成果は、簡略化された変数係数平均場方程式(変数係数Gel'fand問題)の線形化作用素の固有値のについて、これまで解析されていない漸近挙動である。具体的には、変数係数Gel'fand問題の解がn点爆発に十分近いとき、その線形化作用素の第1~第n固有値が、爆発を特徴付けるHamiltonianから定まるn×n行列の固有値で制御されることである。これは、摂動をしないGel'fand問題で知られていたことで、事実の普遍性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
平均場とは、離散的な存在である粒子系において、粒子数を無限大にした極限に現れる粒子数の連続的な分布関数のことである。本研究は、平均場に対し、粒子系に遡って摂動を加え線形応答(摂動に関する微分)を調べ、それを用いて平均場の線形応答を解析することを目的としていた。このような研究はあまり類を見ないが、無限の自由度をもつ場を扱う偏微分方程式を、より精度よく有限自由度系で近似する手法を研究するものであり、研究が進むことで、物理学や工学などの実用上の応用が拡がることが期待できると考えている。得られたことは、極限操作を保証するのに必要な情報の一部に留まっているが、着実に成果を上げられたと考えている。
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