研究課題/領域番号 |
20K03676
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
和田出 秀光 金沢大学, 機械工学系, 准教授 (00466525)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 関数不等式 / Trudinger-Moser不等式 / 極大関数 / 楕円型偏微分方程式 / 変分問題 / ウェーブレット解析 / 臨界関数不等式 / 変分解析 |
研究開始時の研究の概要 |
応募者は主にLebesgue空間とSobolev空間の包含関係を示すSobolevの埋蔵定理について, そ こに現れる最良定数の導出, 関数空間の一般化などの研究を行ってきた. Sobolev の定理は, 実解析のみならず, 数学解析の種々の分野において頻出する有用な数学的ツールである. その意味において, Sobolevの定理またはそれに付随する変分問題等の数学解析の研究推進は, 多くの数学の分野の発展に寄与するものと確信する.
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研究実績の概要 |
空間上のTrudinger-Moser型不等式として, 斉次型不等式と非斉次型不等式の2種類が知られている.本研究課題の1つは, 関数不等式に付随する最良定数を達成する極大関数の存在・非存在を明らかにすることである. これらの不等式に対する極大関数は, 対応するEuler-Lagrange方程式を介して, 指数型非線形項を持つ非線形楕円型偏微分方程式の正値解の存在を意味し, その観点において, 関数不等式に付随する最大化問題の考察は重要な意義があると認識する. 具体的に, 斉次不等式と非斉次不等式において, 極大関数の存在・非存在に差異が生じていることが分かった. このような差異を引き起こす理由を明らかにし, 極大関数が存在するための本質的な条件をある程度明確にすることに成功した. ここでは, Trudinger-Moser 型不等式を例に挙げたが, 同不等式に留まらず, 種々の関数不等式に対して同様の最大化問題を考察し,極大関数を介する楕円型偏微分方程式の構造解析を統一的観点から進めているところである. 具体的に, Sobolev 空間など関数空間を特徴付ける関数不等式と関数不等式の最良定数を達成する関数(極大関数) が満たす楕円型偏微分方程式の可解性の関連性を明らかにし, 軸に密接に関連していることが分かる. しかし,これらの分野に対する解析手法を総合的に考察し, 統一的観点からそれらの見直しを図っているところである.直近の成果としては, Trudinger-Moser型不等式またはSobolev不等式を含む一般の汎関数に対し, それに付随する変分問題を考え, 同変分問題が可解であるあような汎関数に 対する一つの十分条件を与えることに成功している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Trudinger-Moser の不等式は, Sobolev の定理の臨界ケースを特徴付ける関数不等式の1 つである. 特に, 臨界Sobolev 空間上のTrudinger-Moser型不等式として, 斉次型不等式と非斉次型不等式の2種類が知られている.本研究課題の1つは, 関数不等式に付随する最良定数を達成する極大関数の存在・非存在を明らかにすることである. これらの不等式に対する極大関数は, 対応するEuler-Lagrange方程式を介して, 指数型非線形項を持つ非線形楕円型偏微分方程式の正値解の存在を意味し, その観点において, 関数不等式に付随する最大化問題の考察は重要な意義があると認識する. 具体的に, 斉次不等式と非斉次不等式において, 極大関数の存在・非存在に差異が生じていることが分かった. このような差異を引き起こす理由を明らかにし, 極大関数が存在するための本質的な条件をある程度明 確にすることに成功した. ここでは, Trudinger-Moser 型不等式を例に挙げたが, 同不等式に留まらず, 種々の関数不等式に対して同様の最大化問題を考察し,極大関数を介する楕円型偏微分方程式の構造解析を統一的観点から進めているところである. 直近の成果としては, Trudinger-Moser型不等式またはSobolev不等式を含む一般の汎関数に対し, それに付随する変分問題を考え, 同変分問題が可解であるあような汎関数に対する一つの十分条件を与えることに成功している.以上のことから, 当初の研究課題について部分的にはすでに明らかになった点があり, その意味で現在までのところの研究状況はおおむね順調に進展していると 判断する.
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今後の研究の推進方策 |
Sobolev の定理は, Lebesgue 空間とSobolev 空間の包含関係を示すものであるが, それは対応する関数不等式により保障される. また, このような関数不等式がある場合, 不等式に付随する最良定数が存在するわけであるが, その最良定数を達成する関数, 即ち, 極大関数が存在するかどうかという問題を考えることは自然である. 一般に, このような最大化問題の解である極大関数は,対応するEuler-Lagrange 方程式として現れる非線形楕円型偏微分方程式のエネルギー最小解であることが分かる. この観点において, 関数不等式に対し, 同不等式の最良定数を達成する関数の存在,非存在を調べることは, それに付随する偏微分方程式の可解性の考察と密接に関連する.これらのことを踏まえ,具体的な最大化問題及び同問題を考察する. また, 関数不等式及びそれに付随するEuler-Lagrange 方 程式という意味において, 実解析, 楕円型偏微分方程式は互いに密接に関連するが, この2つの分野を統一的観点から見直すことにより, 両者の研究推進の相乗効果を図ることを念頭におき研究を進めているところである. 関数不等式という観点から具体的に述べると, 現在進行中の研究課題として, 具体的な関数空間を与えるのではなく, 考え得る関数空間が持つ本質的な性質を抽出し, 関数不等式を包含する抽象的な補間不等式を構築を進めているところである. この研究方針に伴う直近の成果としては, Trudinger-Moser型不等式またはSobolev不等式を含む一般の汎関数に対し, それに付随する変分問題を考え, 同変分問題が可解であるあような汎関数に対する一つの十分条件を与えることに成功しているが, ここで得られた十分条件がどこまで最適であるかは今後のさらなる研究を要する課題である.
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