研究課題/領域番号 |
20K03681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石渡 通徳 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (30350458)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非線型解析 / 無限次元力学系 / 非コンパクト軌道 / プロファイル分解 / 時間大域的漸近挙動 / 非コンパクト性 / 半線型放物型方程式 / 抽象力学系 / 臨界放物型方程式 / ソボレフ臨界指数 / 時間大域的有界性 |
研究開始時の研究の概要 |
解挙動が非コンパクト性を内包する臨界型偏微分方程式に対し, その臨界性を統御する関数不等式の実解析的構造 (プロファイル分解) に留意しつつ, 非コンパクトなエネルギー汎関数に対する勾配系と捉える立場から, 力学系・変分的手法, 爆発解析及び実関数論的手法を融合した枠組みを構築し, これまで自立した対象として扱われてこなかった非コンパクトな軌道を持つ解の挙動を解析する. また具体的な方程式の解析を受け, 「相対コンパクトな軌道」を対象とする従来の力学系理論を「有界だが相対コンパクトでない軌道」をも対象とするよう拡張し, 近平衡系において特異閾値解が顕現する秩序形成の数理を解明することを狙う.
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研究成果の概要 |
自然や社会にみられる様々な現象は非線型であるため、その数理モデルは非線型偏微分方程式となり、解析には数学の力が欠かせない。既存の研究のほとんどは、有限自由度系である常微分方程式の有界な解に対する力学系理論を、解軌道の相対コンパクト性を仮定して直接拡張するものであり、無限次元系である偏微分方程式の有界な解の挙動をあたえるものにはなっていない。この点を改良するため、無限次元空間内の有界列に関するプロファイル分解を抽象力学系理論に組み込み、従来の無限次元力学系理論を拡張する。また例として、非有界領域で定義された半線型放物型方程式の時間大域解の漸近挙動、及び付随する臨界型函数不等式を扱う。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代社会に生じる様々な現象はそのほとんどが非線型であるため、これらの予測には数学の力が欠かせない。応用的にはこれらの数理モデルの計算機シミュレーションが有効な方法の一つであるが、数値シミュレーションにより得られる結果は数値の集合体であり、適切な理論的枠組みから解釈しない限り「why」を理解することは難しい。さらに連続体の数理モデルは無限自由度を持つため、数理モデルの解析には「非線型性」と「無限次元性」を扱う適切な枠組みを考えることが重要である。本研究では、この枠組みとして、有限自由度系に対する力学系理論のプロファイル分解を用いた無限次元バージョンの開発、及びその周辺の数理的課題を扱った。
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