研究課題/領域番号 |
20K03685
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
内藤 雄基 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 教授 (10231458)
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研究分担者 |
橋詰 雅斗 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (20836712)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非線形解析 / 楕円型偏微分方程式 / 特異解 / 優 Sobolev 臨界 / 漸近的性質 / 分岐問題 / 非線形熱方程式 / 特異定常解 / 走化性方程式系 / 有限時刻爆発 / 非線形偏微分方程式 / 自己相似解 / Sobolev 臨界 |
研究開始時の研究の概要 |
非線形問題においては、方程式の解の値が有限時刻で無限大に発散したり、あるいは局所的に集中するなどの特異性の発現があげられる。そのような現象に対する考察では、スケール不変性などの方程式のもつ性質や、定常問題の解構造が重要な働きをする。 本研究では、非線形放物型方程式に対して、解の挙動と定常問題の解構造および自己相似性との関連性について考察を行う。とくに Sobolev 優臨界および Sobolev 臨界の場合において、特異定常解および自己相似解の構造を明らかにするとともに放物型方程式の解の振る舞いに及ぼす影響を考察する。
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研究実績の概要 |
本研究では、非線形放物型方程式に対して、解の挙動と定常問題の解構造および自己相似性との関連性について考察を行う。とくに Sobolev 優臨界および Sobolev 臨界の場合において、特異定常解および自己相似解の構造を明らかにするとともに放物型方程式の解の振る舞いに及ぼす影響を考察する。 今年度は,一般の優 Sobolev 臨界の非線形項を持つ楕円型方程式における特異解の存在、一意性、漸近的性質について考察を行った。とくに非線形項の具体形を仮定せず、べき乗型や指数型を含む広範な非線形楕円型方程式を考えた。リーディングタームがべき乗関数とは限らない非線形項やTrudinger-Moser 型不等式に現れる非線形項を始めとする優指数関数を扱うために,藤嶋ー猪奥による条件を用いて考察を行った。この仮定の下、球対称な特異解は一意に存在すること,さらにその一意特異解は正則な解の無限極限として与えられることを示すとともに,特異解の原点近傍における漸近挙動を明らかにすることができた。さらに,優指数関数を非線形項に持つ問題に対しては,特異解の詳細な漸近挙動を導くことができた。証明においては,Pohozaev 型恒等式および先験的評価を利用することにより、正則解の極限として特異解が得られること、さらに解の増大オーダーを限定することなく解の存在・一意性を示すことができた。 これらの結果の応用として非線形楕円型偏微分方程式に対する分岐問題に対して特異解が存在する分岐パラメータは一意であること、解のもつパラメータを無限大にすると特異解に収束することを示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一般の優 Sobolev 臨界非線形項を持つ楕円型方程式における特異解の存在、一意性、漸近的性質を明らかにすることができ、さらに分岐問題への応用もできた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き優 Sobolev 臨界における非線形楕円型偏微分方程式の特異解の定性的性質を明らかにするとともに、関連する放物型偏微分方程式、走化性非線形系に対しても研究を進めたい。
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