研究課題/領域番号 |
20K03693
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12020:数理解析学関連
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
村田 実貴生 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60447365)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | Max型拡散セル・オートマトン / グレイ-スコットセル・オートマトン / トロピカル離散化 / 正値差分化 / 超離散化 / トロピカル差分化 / セル・オートマトン / 反応拡散系 / 応用数学 / 解析学 / 数理モデル |
研究開始時の研究の概要 |
数理モデルとは、自然・社会現象や現実の問題を主に数学の理論を使って抽象化・仮想化したものである。「解析的セル・オートマトン」と称する既存の数理モデルより簡単で分かりやすい、しかしながら多くの自然・社会現象や現実の問題に活用できるような数理モデルの構築を行い、その数理モデルの諸性質の解明、そしてその数理モデルを自然・社会現象や現実の問題に適用し、問題の解決に役立てることを目指す研究である。
|
研究実績の概要 |
「微分方程式と同水準の解析が可能な」セル・オートマトンの一群の構築およびその解析を行うこと、そのセル・オートマトンを現実問題に適用し、微分方程式に替わる新しい数理モデルとして活用すること、が研究の目的である。具体的には、偏微分方程式のうち、反応拡散方程式に対応するセル・オートマトンとして研究代表者が提案した「Max型拡散セル・オートマトン」について、解析のための理論を確立し諸性質を解明すること、および「Max型拡散セル・オートマトン」を現実の反応拡散現象の数理モデルに応用することで様々な反応拡散現象の本質的な発生機構を解明すること、である。 当該年度においては、グレイ-スコットセル・オートマトンに関する研究を行った。グレイ-スコットモデルはある化学反応の数理モデルとして提案された反応拡散系の方程式であり、様々な時空間パターンを発生させることから広く研究がなされている。グレイ-スコットモデルの正値差分化・超離散化により構成したセル・オートマトンも、グレイ-スコットセル・オートマトンと同じような様々な時空間パターンを発生させる。この時空間パターンは広義のチューリングパターンと考えられ、セル・オートマトンに対して定義したチューリング不安定性を有していることが示せる。2次元のグレイ-スコットセル・オートマトンについて、拡散パラメーターや初期濃度および近傍・格子を詳細に取り替えて数値シミュレーションを行った。これらの時空間パターンは、反応拡散現象に現れる基本的なパターンであると考えられ、今後グレイ-スコットセル・オートマトンを反応拡散現象の数理モデルとして活用するために重要な結果であると考えている。これらの研究成果について、研究集会・学会で発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度においては、Max型拡散セル・オートマトンの一つである2次元のグレイ-スコットセル・オートマトンに関する研究について、研究集会や学会で成果を発表することができた。2次元のグレイ-スコットセル・オートマトンは反応拡散現象を表現する基本的なセル・オートマトンであると考えられ、その生成する様々な時空間パターンの発生機構を研究することは重要なことであると考える。 Max型拡散セル・オートマトンを反応拡散現象の数理モデルとして活用するための成果が継続して得られているので、研究はおおむね順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
Max型拡散セル・オートマトンとの関係がまだ明らかでない反応拡散方程式について、トロピカル離散化の手法を用いて関係を明らかにする。また、Max型拡散セル・オートマトンと反応拡散方程式およびトロピカル離散化の過程で得られる差分方程式について、解の性質の類似点・相違点を解明するための研究を行う。 Max型拡散セル・オートマトン一般について、反応拡散現象を表す数理モデルとして活用できるように理論の構築を進める。 本研究で得られた研究成果について、研究集会や学術論文で発表を行う。
|